初来日のソル・ハユン&ソン・スンヨンに会場大興奮 MOMOLAND、Cross Geneも祝賀モードでパフォーマンス

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日韓文化交流の祭典、「日韓交流おまつり」が記念すべき10回目を迎え、9月22、23日の二日間に渡り、東京・日比谷公園で「日韓交流おまつり 2018 in Tokyo」として開催された。K-POPファンの注目を集めたのは、二日目に開催された最終プログラム「K-POPコンサート」! 例年、出演者が当日発表されるとあって、来場者はドキドキ感たっぷりで開演を待った。

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新作『ZERO』を引っ提げたCross Gene

トップバッターは、日韓両国で活躍する男性アイドル5人組、Cross Gene!

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前半は今年リリースした新曲を並べ、“今”の彼らを見せていく。幕開けの「Dystopia」はユートピアの対義語で、付き合っていた彼女が去っていた世界を表現したもの。じっくりと歌った後には、5月に発売したEP『ZERO』からダブル・タイトル曲の「Touch it」を披露し、恋が始まる寸前の、届きそうで届かない関係をトロピカルダンスホール・タッチにパフォーマンス。振付には目隠し用の布をスタイリッシュに取り入れ、たっぷりの見せ場でファンを沸かす。

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さらに『ZERO』のタイトル曲「Fly」でもダンスホールスタイルで盛り上げ、最後はシンがパタパタを羽ばたくようにダンシング。そんな彼が「まだまだ終わってないぞ。行くぞ~。俺と遊ぼう!」と叫んだ後は、アッパー・チューンの「ナハゴノルジャ(俺と遊ぼう)」に転じ、会場は一層ホットに。そしてウキウキするような日本語ソング「sHi-tai!」で、シンがハートマークを作りながら「好きだから」と歌えば、客席からは熱い歓声が! ラストの日本語曲「LOVE & PEACE」ではメンバーも客席も一つになってタオルを振り回してヒートアップし、5人は元気いっぱいのライブで続くアーティストにバトンタッチした。

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ライブ中のMCはシンとタクヤが軸となり、司会者を巻き込みながら、ハイテンションでトーキング。

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セヨン:舞台「夏の夜の夢」、シン:ドラマ「死生決断ロマンス」、ヨンソク:ミュージカル「マイ・バケットリスト」といったメンバーのソロ活動を振り返りつつ、ヨンソクは「卓球ウォーズ」(仮)で卓球天才の高校生役を演じるという、マル秘情報もプチ・お知らせ。セヨンとサンミンは作曲に励んでいることを明かし、タクヤはメンバーを代表してバラエティDVD「会いtime!~CROSS GENE シアター~」をPR。チームで、ソロで大活躍するCross Geneの姿を見せつけていた。

トロット・アイドルのソル・ハユン日本上陸

Cross Geneが温めた会場を、世代も性別も超えて熱狂させたのがトロット(韓国の演歌)歌手、人呼んで「次世代トロットの女神」、ソル・ハユンだ。
日本初登場の彼女の名刺代わりの1曲は2017年4月にリリースした「男は女を煩わせる」!

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第11回東京音楽祭(1982年)で最優秀歌唱賞を受賞した実力派韓国人女性歌手、文珠蘭が1990年に発表した歌をダイナミックなタンゴ調でリメイクしたこの曲。オリジナルでは文珠蘭が熟練の歌声を響かせるが、ハユンも赤のチェックなミニスカというファッションからは想像できない正調トロットを熱唱。小指を立てたり、サムズアップを見せたり、指ハートを演じたりと、様々なフィンガーサインを練り込みつつ、圧倒的な声量で客席をノックアウトする。そしてサビ前では「タガッチ(皆一緒に)」と声をかけ、会場の合唱を誘ったのもさすが!

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ビジュアルと実力のギャップでフロアを沸かせた彼女は2曲目でもまたカバー曲を放つ。演じたのは、アイドル系トロット歌手の大先輩、チャン・ユンジョンの「招魂」。ユンジョンが「最後の川」というタイトルで日本語セルフカバーしたこの曲のPVには美川憲一も出演し、大きな話題になっていた。でも、ハユンはそんな話題性に頼ることなく、圧巻かつ丁寧に歌い上げる。そして彼女が右手を左右に揺らせば、自然とフロアの手も大きく左右に揺れ、間奏部では胸に手を当て客席に一礼。手をかざしてフロアに手を振り、なんてファンサービスも見せ、誠実なステージマナーで客席のハートをガッチリと掴んだ。

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そして「皆さんとお会いできたのも一つのご縁」と話して、K-POP界の大先輩、イ・ソニの「因縁」をアカペラで歌った後には、今年3月にリリースした最新シングル「押してください」を。私の中にある呼び鈴を押して、私の中に入ってきて、と歌うノリノリのこの曲はトロット・グループ、LPGの同名曲(2010年)をカバーしたもの。イントロではインターホンが鳴らされ、サビでは韓国語で「押してください~」と歌いながら右手人差し指を上から下へ。最後は「私の愛しい人」と歌いながら大きくサランへポーズを演じ、ファーストコンタクトとなる日本のファンに愛をプレゼント。本家LPGはセクシーさを強調したが、ハユンはオリジナルの振り付けでセクシーさ以上に可愛らしさと爽やかさを押し出し、ハユン流に魅せた。

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いよいよの最後は日本でも大活躍のトロットの女王、キム・ヨンジャの「アモーレ・ファティ(運命の愛)」。2013年のリリース後、2017年に大ヒットしたこの曲は“作曲:ユン・イルサン、作詞:シン・チョル”というK-POP界のダブル巨匠がタッグを組んだ、EDM meets トロットな激ヤバ・チューン。ヨンジャの“女王健在”を世に知らしめたこの曲で、ハユンもパワーを爆発させる。サビ前では「Make some noise」と煽り、客席に降りれば、ファンと握手しながら熱烈交流! さらには、最後は茶目っ気たっぷりの笑顔を見せ、「愛してる」とシャウトしてのサランへポーズ! 彼女は初来日とは思えない貫禄たっぷりのステージングで魅了したのだった。

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オーディション番組「THE UNIT」にも出演し、番組ではムードメーカーを担当するほどに、そのキャラは気さく。お母さんがかつて日本に住んでいたと明かすハユンは、幼い時から日本によく来ていたそう。日本が大好きだが、日本語でファンと気さくに喋れないのがもどかしいと残念がる。その華やかなビジュアルから「苦労知らずに見えるかもしれないけど、本当は大変でした」と笑う彼女。小学生の時から、12年という歳月を練習生として過ごし、“不滅の練習生”と呼ばれることもある……そんな苦労人のステージは確かな歌唱力に支えられ、エンターテインメント性の高いものだった。

20代最強ディーヴァ、ソン・スンヨンが遂に日本へ

ハユンに続いたのは、20代最強の歌手との呼び声が高いソン・スンヨン。彼女も初来日だ。

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彼女が最初に脚光を浴びたのは、2011年のバンド・サバイバル番組「TOP BAND」にて。バンド、WMAのボーカルとしてステージに立った彼女は「Hold the line」(TOTO)や「Can’t Take My Eyes Off You」をカバーし、オリジナルラップを添えて、会場をロック。ハイレベルなボーカル&ラップの両刀使いで視聴者に衝撃を与えたのだった。その後、オーディション番組「Voice of Korea」で優勝した彼女は、2012年に「胸よ、胸よ」でデビューし、ここから快進撃が始まった。

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オープニングには誰もが知る「Let it Go」を演じ、続いたのは「Voice of Korea」でも披露していた「染まって」(原曲:BMK)のカバー。その後も同じ番組のファイナルで披露し、デビューへの切符を掴んだ「醜いアヒルの子」を歌い、絶品の歌声で客席を圧倒した。そして最後は2000年にリリースされたK-POPクラシック「警告」をダイナミックにカバー! タシャとアニーからなる女性デュオ、タシャニーの大ヒット曲を、スンヨンはデビュー後すぐにデジタルリリースしているのだが、この日も「Put your hands up」と煽りながらスリリングに歌っていく。女性ラッパーのバトル番組「Unpretty Rapstar」に出演すれば、その辺のワックなラッパーは軽く蹴散らされる、と評判の彼女。ここでもスンヨンはボーカルとラップを自由自在に鮮やかに切り替え、さらにはタシャとアニーの二人の声色を意識し、一人二役を演じるようにパフォーマンス。「警告」のカバーは数あれど、ここまでオリジナルにリスペクトを払いながら、自分流に消化していく歌手はそうない。ラストは左手を左右に振って会場を盛り上げ、フィナーレでは「スクリーム!」とシャウト。ロック、バラードだけでなく、ヒップホップでも活躍できるポテンシャルの高さを見せつけ、20代最強との評判が偽りでなかったことを印象付けた。

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コンサート・ツアー中という多忙なスケジュールの中での来日となったスンヨン。MCでは「日本でもツアーがやりたい」と意欲を見せてくれたので、次回の来日が楽しみだ!

ファンのハートをバーンと狙い撃つMOMOLAND

トリを飾ったMOMOLANDは6月に日本デビューを果たし、今、最も勢いに乗るガールズ・アイドル・グループ。

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オープニングでは日本デビュー曲の「BBoom BBoom」を演じ、デイジーとジュイのトラップ風ラップもクールに決まる。

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続く「Wonderful love」ではジュイがハイテンションにダンシングし、会場には笑顔が! 日本ではコンビニの食べ物を美味しくエンジョイしていると話すメンバーたち。11月に発売する2ndシングル「BAAM」のPRもしっかりと行い、ジュイは「日本盤のミュージックビデオも特別に作ったので、楽しみにして下さい」とコメント。

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そして全員でシューティングポーズをとって一斉に「バーーン」と声を上げると、撃たれたファンは衝撃から体をかがめたり、後ろに反らしたり。そんなファンをメンバーは「可愛い」と喜び、その可愛らしさにファンもまた喜んだ。

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後半でも「Freeze」や「JJan! Koong! Kwang!」といったヒット曲を連発し、最後は「BAAM」の韓国語バージョンでフィナーレ。2ndシングルへの期待を高める一夜となった。

(文:きむ・たく)