4組のアーティストが祝った日韓国交正常化50周年 日本初ステージで新たな歩みを始めたDavichi

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今年で7回目を迎える「日韓交流おまつり2015 in Tokyo」が、9月26、27日の両日にわたり、日比谷公園で開催された。今年は日韓国交正常化50周年。そのキャッチフレーズでもある「共に開こう、新たな未来を」をスローガンに、日本と韓国の心と心がひとつになる、それがテーマだ。朝鮮通信使パレード、 韓国伝統綱渡り、韓国伝統舞踊など、多彩なプログラムの最後を飾ったのはK-POPコンサート(27日)。

TEEN TOP(ティーントップ) 、Davichi(ダビチ)、Dal☆Shabet (ダル☆シャーベット)、Apeace (エーピース)の4組が出演した。

トップバッターは11月4日の日本デビューも決定し、勢いにのる女性6人組、Dal☆Shabet。

Dalには月の意味もあり、リーダーのセリは「月を見たら、私たちを思い出してください」と語る。前回の来日ステージではバックに月を浮かび上がらせてパフォーマンスしたが、この日は月が最も美しいとされる中秋の名月。丸~く浮かんだ月が彼女らをさらに輝かせた。

「チーム名は甘いシャーベットという意味。みなさんにも甘い魅力をお見せしたい」(アヨン)、「私たちは幸せを感じながらステージを楽しんでいます」(ジユル)と語るメンバーたち。この日も甘くセクシーな4曲を披露し、最後はジユルが客席まで降りて、目いっぱいにファンサービス。デビューに向け弾みをつけた。

2番手は昨年7月から15人体制で活動する大型男性アイドルチーム、Apeace。

以前は恵比寿の専用劇場でライブをしていたが、今は劇場を飛び出し、都内全域で活躍する。が、彼らはアジアを視野に入れ、「アジアの平和は僕らが守る!」と宣言。

この日は12人が参加し、ところ狭しとダイナミックなステージを繰り広げた。

そして3番手はヘリとミンギョンからなる女性デュオ、Davichi。

ミンギョンは「日本は初めて。ファーストタイム」と語り、日本「初」登場だ。が、初の字に括弧をつけたのは訳がある。
二人の日本初ステージは2008年1月。当時同じ事務所に所属していた先輩グループ、sg WANNABEのコンサートにゲスト出演し、デビュー曲「憎くても愛してるから」と小柳ユキの「あなたのキスを数えましょう」を歌っている。さらにその5ヵ月後にはさいたまスーパーアリーナで開催された「『恋歌2008』プレミアムコンサート」にも出演。記憶しているだけでも今回が3度目のステージだ。

過去をまっさらにするのは、事務所移籍後、初来日ということもあるだろうし、この舞台から始めたいという気持ちもある。

「今日が日本デビューです」(ヘリ)

そうした強い思いが滲む舞台は彼女らの歌心が溢れていた。

オープニングは去っていく彼氏への未練たっぷりな思いをミッドテンポで歌う「さよならなんて言わないで」。そしてチョ・インソン主演のドラマ「大丈夫、それも愛」と同名の主題歌が続き、3曲目は2009年の発表の「8282」。

これはその人気が日本の幕張にも波及するほどの大ヒット曲!大砲、キム・テギュンが千葉ロッテに在籍した時代、このメロディに合わせ、高らかとトランペットがなり、ファンは「ナンリョボリョ(かっ飛ばせ)、キム・テギュン」と声援を送ったのだった。つまり、ロッテ・ファンなら誰もが知っている歌だ。

「8282」の特徴はゆったりとした曲とテンポの速いダンス曲とをマジカルに接合した点にある。「心が離れてしまった彼氏に、早く、早く電話して」という気持ちをテンポの速さでも表現する。ミンギョンはテンポアップする前に体をひらりと回転させて見せ場を作り、終盤は二人が見つめあうようにデュエット。「私たちをスターにした大ヒット曲」(ミンギョン)というだけあって、見事なステージだった。そして二人はデビュー曲にしてド・バラードな「憎くても、愛してるから」を幕締めに選んだ。

この日、音響は決して良いとは言えなかった。そんな悪条件の中でも、積み上げてきた歌力で圧巻のパフォーマンスを見せてくれたDavichi。ライブ中、二人は自分たちの魅力についてこう語った。

「まず、歌がいい。私たちの歌は、みんなに寄り添うような歌なんです」(ミンギョン)
「韓国ではアイドルが多いけど、バラードを歌うデュオは私たちしかいません。それも注目してもらえる理由のひとつかな」(ヘリ)

K-POP界のトップに位置する彼女らはこの日の事実上のトリとも呼べた。が、日本での歩みは今始まったばかりだ。

「緊張というかときめくような気持ちで歌いました。韓国では人気バラードグループですが、今日は新人に戻ったような新鮮な気持ち。みなさんのおかげで初心に戻ることができ、感謝しています」(ミンギョン)

「初」ステージを終えたDavichiは、落ち着きつつある日本のK-POPブームにカツを入れそうだ。

トリを務めたのは男性6人組のTEEN TOP。

「朝から朝まで」「Rocking」では、華麗な足裁きが光るロッキン・ダンスで魅せ、ニエルのキャップ使いが粋な「Missing」の最後は全員が投げキッス!

アンコール曲「Miss Right」を含む計4曲で詰め掛けたファンを熱狂させた。

出演者たちは、それぞれが、この日の舞台に立てたことを光栄に思うと語った。そしてDal☆Shabetのジユルは「今年は日韓国交正常化50周年。これから両国の関係がもっともっと良くなることを願っています」と語り、会場のK-POPファンもまたジユルと思いをひとつにしていた。

(文:きむ・たく)