躍動感がウリな2PMに対し、4人組ボーカルユニット2AMのウリは歌唱力。そのメンバー、イム・スロンが7月24日、東京・原宿クエストホールで初の単独公演「Seulong Live in TOKYO “Sound check”」を開催した。
昨年10月にも彼のファンミーティングが企画されたが、実現には至らず、待った分だけ、ファンの感動もひとしお。ファンミーティング&コンサートからなる昼の部、コンサートだけの夜の部で目いっぱいスロンの歌声を堪能した。
ジヌンも参加し、プチ2AM公演に!
ライブはオリジナルシングルとしては最新作になる「Witcher」「Melatonin」からスタート。“お久しぶり”の挨拶代わりに、今の自分をじっくり表現していく。
2曲を歌い終えた後は2AMのメンバーにして、この日のスペシャルゲスト、ジヌンがステージに現れ、ここからはバンドも合流だ。まずは2AMの「天使に」をスロン&ジヌンのデュエット・バージョンで披露。バックには青空が広がり、スロンの優しさ溢れる声が全開になる。また歌い終えた後は、「僕の想像した以上にたくさんの人が来てくれていますね(笑)」(ジヌン)、「ジヌンはバラエティの新人並みに忙しいよね」(スロン)と、ほのぼのトークで親密な仲をアピール!
開始早々のジヌン登場は帰国便の都合によるものだが、彼は時間ギリギリまでトークでファンを楽しませ、最後は「スロン先輩を宜しくお願いします」と挨拶。兄貴想いな面を見せた後は、自分のソロ曲「Will」を歌い、そのロック度の高さに会場の雰囲気は熱く一変。
ジヌンはワイルドに体を揺らし、途中、「Wow~」とシャウトを連発して場内を煽る。そして最高の演奏でサポートしてくれたバンドメンバーにサムアップしながら帰国の途へ就き、その姿は眩しいほどに格好良かった。
コラボ曲~ドラマOSTと芸幅の広さが光る
スロンは熱く盛り上がった会場を、歌で、再び自分の世界へと引き戻す。選んだのはシンガーソングライターとしての自己を確立した「話してほしい」。
続いたポップ・バラード「Same Thing」はドラマ「恋愛細胞シーズン2」のOSTから。彼は「どちらもライブで歌うのは初めて。気持ち良く歌えました」と語り、ファンもレア曲の生披露を楽しんでいた。
独り立ちしてから、ジャンルに縛られることなく、他のミュージシャンとのコラボワークを積極的に展開しているスロン。後半はそうしたコラボ曲をメインとなった。エピトーン・プロジェクトとの共作「夏、夜」では星空を背景に歌い、続いた「冷たい」は男性シンガーソングライター、シム・ヒョンボのアルバムに収録されたソトシゴト!
そして、チョ・ボア、キム・ユジョンといった事務所仲間の女優陣、さらに2AMのメンバーからの応援メッセージでエネルギーを充電した彼は2AMの日本語曲「愛の歌がRadioから」を1人でパフォーマンス。ここではコーラス隊も休み、彼は自分の歌力だけで勝負した。そしてバンドが「Love skin」のファンキーなリフを演じれば、客席からはイントロだけで歓声が! それは「待ってました!」という気持ちを代弁するかのようで、他の曲にはない官能的な歌にファンは大興奮! 彼もフロアの感動を共有するように目を閉じながら歌い、ファルセットな歌声がセクシーに映える。スウィンギーな間奏部でも彼はリズムに乗せて体を揺らし、「(感動のあまり)泣きながら聴いてくれるかと思ったけど、汗を拭いている人がいらっしゃいますね(笑)」と振り返るほどの盛り上がりに満足気。歌い終えた彼は自ら拍手し、客席も彼に大きな拍手を送っていた。
後輩グループ、2EYESのメンバーがゲスト参加
終盤には同じ事務所のガールズグループ、2EYESのダソムがラッパーとして合流。ジミン(AOA)とコラボするR&Bチューン「スタートがいい」ではダソムがジミンの代役を務め、同じくダソムをフィーチャーした「間違い探し」(ドラマ「むやみに切なく」OST)でスロンがマイクを会場に向ければ、全員が1つになって唱和。そしてベテラン、ユン・ジョンシンとの共作「New you」を歌った後は、ドラマOST「あなたが恋ならば」を挟んで、最後は「楽しく盛り上がって終わりたい」との想いから、アーバンかつスタイリッシュなユン・ヒョンサンとのコラボ曲「なんかできそうな日」をチョイス。ハートマークも大サービスされ、温かさ満点のフィナーレになった。
ジヌンのソロ曲を含め計15曲という構成をライトに感じるファンからは「もっと」の声が飛んだが、スロン・ワールドをお披露目するには文句なしだった90分。彼は「もっと歌うには(『小言』で共演した)IUも連れてこなきゃいけないし、デュエットの準備もしなきゃいけない」と笑いながら、「今回、一人で準備して、一人で引っ張っていくのは大変なんだなと思いました。そして、これが今後、僕が自由になるきっかけになるんじゃないかな。今はソロ・アルバムを準備しているので、もう少し経ったら、素敵な曲をお聞かせ出来ると思う」とも語り、更なる羽ばたきを期待させた。
さらに、ジヌンも「僕も、もうちょっとしたら、バンドで来るかも」と語り、2AMとしての来日もありそうな予感。スロンの歌に酔い、嬉しいニュースに溢れたこの日は2AMファンにとってタマラナイ一日だった。
(文:きむ・たく)