DREAM ON! VOL.9 SECOND ROUND レポート

前夜から24時間経つことも許さず、1月12日DREAM ON! vol.9 SECOND ROUNDが幕を開ける。2日連続で参加するお客さんも多く、演者やスタッフはもちろんのことだが、参加する側も意外と体力勝負なのである。しかしながら、そうしてでも見たいと思わせてくれるイベントがDREAM ON!なのである。

初出場であるJuliette☆が気炎を上げる。今回エントリーの多かったとされるSHINee「Everybody」と熾烈な枠を勝ち抜いただけに終わらない。その事実は肉体を超えた、感情に満ちたステージングが証明する。このチームがあのステージに立った理由を誰もが明確に感じ取ったはずである。

初出場チームの躍動はまだまだ止まらない。
TEEN TOP「ROCKING」を披露したALL GENERATION TOPもそのチームの一つであった。TEEN TOPをカバーするにあたって必須となる複雑なステップワーク。これを鮮やかに、そして何よりも心地よく見せつけられた。あまりの軽快さにフロアーからもどよめきを生み、一気にフロアーを味方につけた。

ほかのチームと比べても、どこか独特なテイストを持つN☆SECRET。今回はBTS – 防弾少年団「No More Dream」をカバーした。ボーイズグループの楽曲を女性がカバーすることは珍しくない。むしろ、そちらの方が断然に多い。特有の力強さが難しさの一つにあると思うが、このチームはそんなことを微塵にも感じさせなかった。細かな力配分すらも計算されているようで、絶妙なバランスに思わず唸りをあげたステージであった。

ダンスカバーをするのは市井の人ばかりではない。日本トップクラスの現役アイドルもダンスカバーをするのだ。それがUFZSである[※普段はアップアップガールズ(仮)という名前で活動している]。披露する楽曲は2PM「I’ll be back」と挑戦的であり、素地を生かした一体感のあるステップワークやダンスが何とも心地が良い。UFZS初のボーイズグループのカバーであったが、サムズアップに上々少女たちのプライドを垣間見た。

最後のブロックとなるD Block。否が応でもあがるフロアーのボルテージはそれだけ成熟したイベントの証左なのであろう。ラスト2曲はFIRST ROUNDとSECOND ROUNDと同じセットリストとなっている斬新な試み。
Dream On! vol.1から出場を重ねているBATSはmissA「HUSH」をカバー。BATSがカバーするmissAは奇跡的なほどに親和性が高いように思える。過去に開催されたVol.4やアンコールステージで披露したステージングと重ね合わせて、今回のステージングもそんな心持ちにさせるものであった。メンバー個々を見ても、全体を見ても高い表現力とダンステクニック。大胆であり、力強さも損なわず、それらを紡ぎ合わせながら作り上げる世界観へ引き込まれた。

過去最大数の出場グループで開催されたDREAM ON! vol.9も最後のチーム。
この日、会場の誰もが最も待ち望んでいたに違いない。そのグループの名こそがBTICK。
一度は活動休止をしていたものの、再び表舞台へ臨む彼らの姿に歓声で迎えるフロアー。披露されたSHINee「Everybody」カバーは、それに応えるかのように気迫に満ち、よりエッジのあるステージングで会場の視線を独占する。フロアーから絶対的な熱量を生み出すことのできる唯一の存在。現在・過去・未来、どの地点でも彼らの輝きは褪せることはない。

興奮の後にさらなる興奮が待ち構えているのが、今回のDREAM ON。前夜のFat Catに続いて、韓国からのスペシャルゲストM.pireが登場した。
フルメンバーでの参加は叶わなかったが、「Can’t Be Friend With You」「I’m Better」の2曲を披露。デビュー間もないが、存在感と紛れもない実力を焼きつけた。MCではSMAPのリーダー中居正広のモノマネを披露するなど、ユニークな一面を垣間見せた。

これだけで終わらせてくれないDREAM ON!。最後の一騒ぎ、主役は踊りたい気持ちがある人たちなのだ。チームも年齢も性別も、あらゆる垣根を越えて一つになっていくノーサイドな空気がDJタイムに凝縮されている。そこかしこに笑顔がこぼれ、発散されるポジティブなエネルギーにこのイベントの意義があるのではなかろうか。

数多くの新芽が育ち、存在感をそれぞれに表していく中でも揺らぐことのないベテラン勢との調和がDREAM ON!をネクストフェーズへと進めた。
一段と熱い夏が訪れる頃、また新たな萌芽を目の当たりにするのだろう。

(文：世界のご子息 マックン / 写真：編集部)