K-POPミュージカル「BACK TO THE STAGE」開演迫る! 1stシーズン主要キャストが語る見どころとは?

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アイドルが出演するミュージカルでもなければ、アイドルの話をミュージカル化したものでもない。K-POPアイドルとミュージカルが見事に溶け合う、全く新しいコンセプトのK-POPミュージカル「BACK TO THE STAGE」が8月24日(火)から阿佐ヶ谷シアターシャインでスタートする。

 

エスティ、ドゥリ、シャイン、ジンホ、ドンユンという5人の韓国人青年は「ビースター」という名前でK-POPアイドル・グループとしてデビューするのだが、会社の金銭問題からデビュー直後にチームが解散し……。K-POPアイドルの夢と現実、苦悩を描いたこの作品は、幕が開く前から話題を集め、既にシーズン4までの長期公演が決定! 各シーズンとも男性チームの公演と女性チームの公演があり、二度楽しめる構成だ。

左から)安江晶野 / MELO / 藤戸佑飛 / 河野凌太 / RYOGA / TENMA

左から)安江晶野 / MELO / 藤戸佑飛 / 河野凌太 / RYOGA / TENMA

左から)田中舞音 / 左京里紗 / 尾﨑茜 / 戌海文音 / 浜辺こはる / 佐倉希望

左から)田中舞音 / 左京里紗 / 尾﨑茜 / 戌海文音 / 浜辺こはる / 佐倉希望

そこで、今回、シーズン1から、河野凌太(エスティ役)、TENMA(ドゥリ役)、藤戸佑飛(シャイン役)、RYOGA(ジンホ役)、安江晶野(ドンユン役)、戌海文音(エスティ役)、佐倉希望(ドゥリ役)、浜辺こはる(シャイン役)、田中舞音(ジンホ役)、左京里紗(ジンホ役)、尾﨑茜(ドンユン役)の11名が、シーズン2からMELO(ドンユン役)が集結! ミュージカルの見どころについて語ってくれた。

 

――“B”のフィンガーサインが格好いいですね! 誰の発案ですか?

河野「僕です! グループの名前が『ビースター』だったので、そこから採りました」
MELO「やっぱり、さすがリーダーですね」
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――河野さんが演じるエスティはビースターのリーダーですね!

河野「今回、初対面の方が多いので、誰かが引っ張っていく必要がありました。そこで僕がリーダーという役を借りて、率先していかなきゃと!」

――女性チームでは戌海さんがエスティ役です。戌海さんが率先してやったこととは何でしょう?

戌海「私は率先して盛り上げました(笑)。これまで、あまりリーダー的なポジションに立ったことがなくて、どうしたらいいのか分からないところもあったんですが……」
プロデューサー「振付の練習の時に、率先して『みんな、やろう!』と声をかけてたよね」
戌海「はい!」
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――「BACK TO THE STAGE」の見どころを教えて下さい。

戌海「まず、キャストが男性チームと女性チームの二つに分かれて、どちらも同じ男性K-POPアイドル・グループを演じます。女性チームが男性のファッションで、男性の役を演じるのが見どころの一つです」
河野「これまでのような、感情から湧き出る歌やダンスによるミュージカルを超えて、お芝居、K-POP的な歌、ダンス、そしてビースターとしてのダンスを作品の中に盛り込んでいるので、見どころが普通のミュージカルより多くなっています。キャストは日本人ですが、僕らは韓国へのリスペクトをもってやっているので、男女どっちのチームを見ていただいても、K-POPの良さが伝わって、より楽しんでいただけるんじゃないでしょうか?」
戌海「男性チームの公演、女性チームの公演、“どっちも”見てほしいですね」

――女性チームのメンバーが男性役を演じるにあたり、苦労された点はありますか?

戌海「どんなに男性らしくしても、女性ではある以上、綺麗さというか、中性的な魅力が出てくるとは思います。でも、それより『男らしさを極めたもん勝ちだな』と考え、“男装”ではなく“男役”として、しっかりと格好いい男性を目指したいなと。歌い方、踊り方、目線、顔の動かし方次第で男らしくなるし、研究することが沢山あって、時間が足りないくらい。でも、楽しいです」
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――皆さんはこれまでK-POPに関心はありましたか? また、この舞台に出ることでご自身の中で変化したことはありますか?

TENMA「元々、僕はK-POPが大好きで、この話を頂いて、むちゃくちゃ嬉しかったです。稽古では、K-POPアイドルっぽく見せるダンスの踊り方を練習していますが、振付師の方から『全員で手の角度を合わせて! それがちょっとズレただけでもK-POPのダンスに見えないから』とずっと言われてて。実際にやってみると難しいですね」
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――中でも好きなK-POPアイドルは誰でしょう?

TENMA「Stray Kidsのヒョンジン君が大好きで、髪形、メイク道具、全部、真似しています。美容師さんにも、彼の写真を見せて『この髪形でお願いします!』って。今日も『Stray Kidsとして行くぞ!』くらいの勢いで来ました」
戌海「ちなみに私はフィリックス君の写真を美容師さんに見せて、髪を切ってもらいました」
TENMA「分かる~。襟足長い感じとかね」
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RYOGA「僕はBIGBANGが大好きで、ライブも毎回行って、ファンクラブにも入ってました。メンバーは皆、違う世界、違うカリスマ性を持っているだけでなく、BIGBANGとして一つになると、そのカリスマ性がもっと大きく見える……そこが好きです。特に好きなのはG-DRAGON。ラップも出来て、歌もうまいし、カリスマ性もあってオールマイティ。いつかは彼のようなアーティストになりたい、それを目標に掲げています」
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河野「僕はK-POPの誰が好き、というのはありませんが、日本ならジャニーズがものすごく好きで。芸能のお仕事をするにあたり、ジャニーズが好きゆえに、『ジャニーズには適わない』と考え、自分の中で『アイドルになる』と言う選択枝がなかったんですね。そして、K-POPは世界的にも人気があって、その理由を考えると、成功しているアイドルはビジュアルだけじゃなく、能力や確かなクオリティを兼ね備えている。『大好きなアイドルを諦めていた僕が、K-POPにある確かなクオリティを突き詰めていけば、見えてくるものがあるんじゃないかな?』、そう思って、このミュージカルに参加させて頂きました」

藤戸「僕はK-POPもジャニーズも好きで、K-POPなら、特にFTISLANDさん、イ・ホンギさんが好き。今回、歌唱指導のキム・テフンさんがホンギさんのボイストレーナーをされていたので、同じボイストレーニングを受けていることがとても幸せです。韓国語の歌には日本語にない発音もありますよね。キム・テフンさんは発音に関して厳しくアドバイスしてくれるので、稽古をとても嬉しく感じています。日本でK-POPのミュージカルをするのは珍しいとは思うんですが、K-POP自体は誰もが知ってるので、見る方も”全く新しい”という感じは覚えないんじゃないでしょうか。僕ら日本人がK-POPを演じることに怖さもありますが、K-POPは好きなので、どこまで自分が体現できるかに挑戦していけたらなと」
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――MELOさんは2019年に「Fallin」でデビューしたK-POPグループ、GMOST出身のシンガーですね?

MELO「はい。僕はGMOSTが一番好きですが、残念ながら解散し、今はソロ歌手、音楽的にはJ-POPの方向で活動しています。僕はK-POPグループとしてデビューした経験もあるし、練習生時代は5人の時の東方神起を目指してやってきました。そうした経験をステージにしたら、このミュージカルになると思うんですよ。台本もGMOSTの話と似ている部分が結構あって共感出来たし」
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――MELOさんから見ても、この脚本はリアルだなと?

MELO「夢があっても、現実的な問題に直面しますよね。僕も軍隊に行って、故郷の大田に帰っていろんなバイトして、29歳の時に日本でデビューして。それで『これって自分の話しかな?』って思うほどでした」

安江「僕はロックバンドやビジュアル系の音楽が好きだったので、お話を頂く迄、それほどK-POPに興味をもってなくて。今回、BTSさん、EXOさん、BIGBANGさんの映像を見て、ダンスのシンクロの高さや、さっき、(河野)凌太君も言ってたクオリティの高さを感じて、今回、『自分が演じるにあたり、そこを目指さなきゃ!』って。それがモチベーションになってるし、プレッシャーにも繋がっています。ドンユンはビースターのメインパフォーマーなので、僕がダンスでメンバーを引っ張っていけるよう、クオリティを上げていきたいですね」
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戌海「私は、ジャニーズ、女性アイドル含め、アイドル全般が好きで、この半年くらいK-POPにハマっていて。よくライブ映像を見ながら、歌って踊って真似して、憧れがあったんですね。そしてミュージカルでは、男性アイドルの格好良さへの憧れから、男役をやる機会が多くて。『私の好きなミュージカルとアイドルがコラボレーションする舞台なら、是非出たい!』と思い、応募させて頂きました」

佐倉「私はK-POPに無茶苦茶詳しいわけではないんですが、BIGBANGのメンバーや韓国のアーティストさんに実際に会って、お仕事をご一緒した際、醸し出す空気感が違うと感じました。韓国のアーティストにしか出せない雰囲気があるんですね。男性役のパフォーマンスを3年ほどやらせて頂いていますが、今回は韓国のアーティストの空気感を出せるお芝居を研究したいと思っています」
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――その空気感のキモになるのは何でしょう?

佐倉「例えば、中性的な雰囲気や、K-POPアーティストにあるミステリアスな感じ。『なんでそんな雰囲気が出せるのかな?』って思いますが、仕草や所作から来るものでしょうね。今回は、MELOさんというお手本もいらっしゃいますので……」

――MELOさんにもミステリアスな雰囲気を感じますか?

佐倉「しますよ~、すごく」
MELO「ただ人見知りなだけです(笑)」
全員「(笑)」
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浜辺「私は、元々、“K-POP=カッコいいなぁ”と言うイメージだけでしたが、実際に演じてみると、フォーメーションや全員が揃う美しさを感じて、そこに到達できるように、という気持ちが大きいです。また、日本の方、韓国を好きな方はもちろん、多くの方に普遍的に楽しんでもらえて、熱さが伝わる台本になっているので、『その熱さをそのまま届けられるように!』と思っています」
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田中「私はBTSがすごく好きなんですが、最近K-POPにハマったこともあって、K-POPが私の中で、あまり浸透してなくて。この舞台に向けてK-POPのダンスを習い始めた時に、『ここまでの統一性を仕上げるにはどれほどの時間がかかるんだろう?』って、初めてK-POPアイドルの人たちの努力について考えたんですね。なれないかもしれませんが、今は本当のK-POPアイドルになれるよう稽古を頑張っています」
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左京「私は自分で曲を作ることが多いので、韓国のアーティストの曲を聴くことが多かったんですね。そして韓国の方は、アイドルでもセルフプロデュースし、作詞作曲しているので、そこから色んなミュージックビデオを見るようになって。見ていると、パフォーマンスにすごく余裕があって、表情に魅力があると感じたんですが、実際に自分たちでやってみると、K-POPアイドルの目まぐるしく変わるフォーメーションには、目えない努力が隠されているんだなって、改めて実感しました。このミュージカルでエンターテインメントとしての楽しさをお届けできたらいいと思うし、同時に、お芝居で描かれる現実的な部分は、国を超えて共通すると思うから、色んな人の心にちょっとでも刺さればいいなと!」
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尾崎「私はK-POPアイドルも韓国の事も全く知らなくて、この話を頂いてから、調べるようになって。ダンスはずっとやっていましたが、K-POPダンスはやったことがなく、動画を見て『揃ってるのがすごいな!』と感じました。今回は、男性としても、K-POPアイドルとしても、韓国人としても、お芝居するのは全て初めての事ばかり。公演の最後まで勉強していきたいなと思っています」
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――TENMAさん、佐倉さんはラッパ―役です。ラップも韓国語ですか?

TENMA「そうです」
MELO「フリースタイルで?」
全員「(笑)」
藤戸「フリースタイルは無理でしょ」

――仕上がり具合はどうですか?

TENMA「そうですね……。でも、韓国語だし、早口だし、難しいですよ。発音がちゃんと合ってるのかなとも思うし」
佐倉「キム・テフンさんは『韓国語のラップは英語っぽく崩した感じに格好良く言うのがツウなんだよ』って仰るんですが、格好良さをミックスしながら伝わる韓国語にするのって、すごく難しい!」
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――グループ解散後、サムギョプサル屋さんでアルバイトする設定ですが、皆でサムギョプサル屋さんに行くこともありますか?

全員「行きたいんですが、まだ行けてません」
戌海「私はサムギョプサルが大好き! 昨日、ウーバーイーツで頼んで食べました」
佐倉「私、ムッチャ画期的な食べ方知ってるんですよ」
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――普通は肉を野菜で包んでから食べますね?

佐倉「でも、私は最初に葉っぱを口に当てて、そこに肉を押し込むんですよ。そうすると、自動的にスルッと口の中に入るんです」
MELO「サムギョプサルって、本来、お肉やネギを葉っぱで包んで食べるんですが、それってメンドくさいじゃないですか。でも、今の食べ方だと、巻かなくて早く食べれるからって、TikTokなどで話題になってますね」

――この作品に参加することで、韓国への興味が一層強まったのでは?

藤戸「K-POP好きな人も多いですし、韓国で仕事が出来れば、と思いますね」

――このキャストで韓国上陸するのはどうでしょう?

藤戸「行っちゃいましょう!」
河野「連れて行ってもらえるなら!」
全員「(笑)是非!」
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――では最後に男性チーム・リーダーの河野さんから締めの一言をお願いします!

河野「僕たちは1stシーズンのメンバーですが、今後はメンバーを入れ替えて作品が継続します。K-POPファン、演劇ファン、その二つにあまり触れてこなかった方にも楽しめるよう試行錯誤していますので、色んな方にご覧頂いて、日本の演劇、そしてK-POPの素晴らしさを感じてほしいですね。コロナで、どうしても演劇の敷居が高くなっていますが、こういう時期だからこそ、より皆さんに楽しんで頂けるものを、僕らも楽しみながら全力で作っています。体調にだけ気を付けてお越し頂いたら、楽しんでお帰り頂くことを保証致しますので、是非、多くの方に見て頂いて、その輪が広がればいいなと思います」
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――ありがとうございます。楽しみにしています!

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(文:きむ・たく)

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