DREAMCATHERが日本語曲満載でネクストステージへ 昭和テイストな元グランドキャバレーでメタル全開!

eyecatch

韓国のメタル・アイドル7人組、DREAMCATCHERがアジアツアーを開催。その日本公演「DREAMCATCHER Asia Tour “INVITATION FROM NIGHTMARE CITY in JAPAN”」が5月2、4日に、東京、神戸で開催された。では、2日、東京公演(会場:東京キネマ倶楽部)の一部の模様をレポート!

ライブは日本デビュー曲の「What-Japanese ver.-」からスタート。ハードなサウンドと立ち上がるスモークに援護され、初っ端からクールネスを爆発させる7人。続く「Chase Me-Japanese ver.-」も日本盤1stシングルからで、疾走感あるホラー・チューンながら、ユヒョンは愛嬌も織り込んでファン・サービス! 2曲で日本での原点をしっかりと見せつけた後は口々に「Wah~、Wah~」とシャウトし、最初のMCでこう煽っていく。

_N3A9703_s

ジユ 「今迄と違って、今日は日本語の歌がとても多いので、その分、楽しんでいただけると思います」
スア 「盛り上がりましょうですか~?」
ガヒョン 「スペシャルなステージも準備してきました!」

そんなMCに続いたのは官能的な「Wonderland-Japanese ver.-」! ユヒョンがダミの耳を撫でるなど、セクシーなパフォーマンスを満載し、7人は“メタル・アイドル”の括りから想像のつかない貌を見せる。そして緊迫度高めの「GOOD NIGHT-Japanese ver.-」で再びハードロックに転じ、ドープなマイクリレーでもファンを魅了。最後は「Baby Good Night」と歌い、華麗な投げキッスで締めた。

日本でのリリース曲を披露した後は、スウィートな韓国語曲を2連発。「Daydream」ではラッパーのスアも甘いボーカルを演じ、同じくラッパーのダミはラブリー&ハスキーにラップ。甘さが会場一杯に広がり、途中、ユヒョンがフロアに手をフリフリさせれば、ファンは思わずフォール・イン・ラブ。

_MG_1232_s

「Lullaby」ではミラーボールが回り、ユヒョンだけでなく、他のメンバーもファンに向け手をウェーブ。スアがダミの肩を抱きながら「皆さん、一緒に歌ってください」と声を発し、ガヒョンがフロアにマイクを向ければ、ファンも一緒に声を上げ、館内が幸せムードで一色になる。そして歌い終えた後は、スアが「韓国語の歌を歌ってくれて感動です」とファンに感謝し、感極まったガヒョンの目から涙が! するとフロアからは彼女を励ますように「ガヒョン」コールが一斉に沸き起こり、スアの主導で「泣くな!」コールにチェンジ! ファンが一丸となってガヒョンの心を癒したのだった。

中盤は見どころ満点のユニット・コーナー! が、そのコーナーに入るまでのイントロ部も楽しさ爆発でファンを楽しませるのがDREAMCATHER流だ。
一番手はシヨン、ハンドン、ガヒョンの3人。次に披露する曲のコンセプトを問われた3人は、左手を突き出し、右手を頭上に上げるのだが、それは一見、カンフー・パンダ風? でも、ガヒョンによれば「コミカル」がコンセプトというから謎が謎を呼ぶ。さらには、スアが「ガヒョンが面白過ぎて、また、泣くかもしれません」と、ダミが「原曲より良いんじゃないかな?」と言うから、想像が膨らむばかり。そしてスアのリードで、ファンが「どれだけユニット公演を見たいか」という熱意をビッグ・ウェーブで表現した後は、いよいよユニット・タイムがスタートだ。

_MG_1264_s

トップバッターの3人が演じたのは、カンフーでもコミカルでもなかった。彼女らはファンへの愛の気持ちを込めて、男性歌手ポール・キムの「Every Day, Every Moment」をカバー。シヨンは「ハンドンちゃんとガヒョンちゃんの声がとても似合う」とコメントした。

「ホットで、見る度にビックリするステージ」(ガヒョン)という紹介で登場したのはジユ&ダミ。二人は2PMの「My House」をカバーし、2PMにはない、オリジナルのパフォーマンスでファンを熱狂させる。

_N3A1826_s

彼女らは途中、赤いロングスカーフを取り出し、ジユはそれをダミの首に巻きつけ、ダミはスカーフでジユを目隠し。さらに跪いたジユがダミの手の甲にキスをするなど、フェティッシュ&エロティックなパフォーマンスにファンのハートはトロトロ。それはジユが「強烈なステージ」と振り返るほどにインパクト大だった。

強烈なジユが「次はもっと強烈な歌」と前フリすると、ファンはどよめかずにはいられない。続いて登場したスアとユヒョンはジャズの名曲「My Favorite Things」を下敷きにした「7rings」(原曲:Ariana Grande)をパフォーマンス。赤い照明のもとで演じられた華やか&エレガントなダンスには、思わず京都に行きたくなった!

三者三様のパフォーマンスで魅せた後は、再び7人で。まずは最新曲となる2ndシングル「PIRI~笛を吹け~-Japanese ver.-」を演じ、ラップ初挑戦となるガヒョンからダミへのマイクリレーもピタリと決まる。途中、シヨンが他のメンバーとぶつかりそうになるハプニングに笑顔を見せたが、すぐさま、真顔でリカバリーしたのもサスガ! そして「Trap」を挟んだ「You And I」は日本語バージョン(!)をサプライズで初披露。スアを除く全員がピンクのバンダナを左ポケットにインし、彼女だけが右ポケットへ。その後、ダミを除く6人がバンダナを取り出し、ダミはマジカルに取り出したステッキでスタイリッシュにパフォーマンス。ラストもバンダナを舞わせ、ミラクル&華麗なステージングでファンを圧倒する。

_N3A9520_s

続く「And There Was No One Left」ではメンバーが思い思いに弾け、ハンドンとスアは、下のフロア(ダンスホール新世紀)が社交ダンスのメッカと知ってか知らずか、手を取り合ってボールルーム・スタイルにダンシング。全員がリズムに任せて体を揺らし、シヨンのパートではジユとユヒョンがエールを送り、終盤ではハンドンとユヒョンが手を絡めてシンギング。さらにロックなサウンドそのままの「I Miss You」では切なさでファンをキュンとさせ、本編ラストの「Full Moon」では白いミラーボールがまるで満月のように光を放ち、優雅なパフォーマンスでフロアをノックアウト。

_N3A9391_s

そしてアンコールの「Wake Up」では全員が笑顔でジャンプしながらパフォーマンスし、メンバーの「Go! Go!」という煽りに客席が益々ヒートアップ。ハンドンはギターのアテブリも演じ、終盤のスアのパートでは全員が歌う彼女をカゴメカゴメ! ラストは会場が一つになって「オイ、オイ」と声を上げ、熱~く、かつ、パンキッシュに盛り上がった。

初披露曲も盛り沢山でファンをたっぷり楽しませたライブの終盤、メンバーはファンにこう感謝の言葉を寄せた。

シヨン 「久しぶりに日本でコンサートをして幸せでした。またこんな感じにしてくださってありがとうございます」
ジユ 「『You And I』の日本語バージョンもお聞かせできて、有意義なコンサートでした」
ハンドン 「日本語の曲でコンサート出来るのが不思議に感じました。次もどんなコンサートになるのか、期待しています!」
スア 「インソムニア(DREAMCATHERのファン)、大好き!(体を一回転させながら)幸せです~」
ガヒョン 「日本の曲で皆さんとコミュニケーションが出来、良かったです」
ダミ 「今日のコンサートも夏のフル・アルバムも皆さんのおかげです!」

この日の会場は昭和の趣きタップリで、湿感のある元グランドキャバレー。DREAMCATHERのパフォーマンスとも抜群のマッチングを見せ、今迄のコンサートとはまた違った、いいムード。日本盤の2枚のシングルをベースにすることでアジアの他の地域で開催されたライブとは違ったスペシャル感を出し、さらには今年の夏に発売される1stフル・アルバムへの期待を存分に高めるものだった。

_N3A0499_s

(文:きむ・たく)