ファンサービスも女神級!Nine Muses待望の来日「日韓フレンドシップフェスティバル2013」ライブレポート

七夕前夜に、Nine Musesが日本にやってきた!

来日は2012年9月の「日韓交流おまつり 2012 in Tokyo」以来。
昨年8月には山梨県で予定されていたK-POPイヴェントへの出演が決まっていたが残念ながら開催中止となったこともあり、ファンにとっては待望と言う他無い今回の来日。

Nine MusesはZE:AやJewelryの所属する事務所スター帝国から2010年にデビュー、幾名かのメンバーの脱退に見舞われながらも現メンバー9人の内7人が揃った2011年の”Figaro”以降順調な活動を続け、圧倒的なスタイルを誇るビジュアルと、KARAやInfiniteの楽曲で知られるSweetuneが手がける印象的な楽曲を武器にファンを増やしている。

今回は東京ドームシティプリズムホールで行われた日韓交流イベント「日韓フレンドシップフェスティバル2013」初日のコンテンツK-POP Artist Liveパートでのステージ。
入場無料のイベントだったが流石にK-POP Artist Liveパートは座席指定券が抽選申し込み受付となり、後に発表された立ち見申し込みも合わせ、当落の悲喜こもごもがネット上で見受けられた。

座席は300名程、立ち見入場が50名程。
ステージはホールの一部を区切ったところに用意されている仕様で、展示ゾーンの一部からも覗けるようになっていたため、チケットを手に出来なかったファンが通路に溢れている。
当日は関東地方の梅雨明けが発表された気温30度を超える真夏日、メインステージ周辺は開始前からファンの異様な熱気に満ちていた。

定刻となりK-POP Artist Liveのパートが開始、お馴染み古家正亨氏がMCとしてステージに上がり、まずは韓国観光公社社長イ・チャム氏が今回のイベントの趣旨を踏まえ挨拶。

一部お祭り騒ぎ状態の客席とのやりとりが面白い。
いよいよ古家さんがLiveパートの始まりを告げ、Nine Musesを呼び出す。
低音の効いたハードな音響と共に簡単なイントロダクション映像が流れるとファンの熱気は最高潮に。
クールなイメージと異なりファンに愛嬌を振りまきトコトコトコッとステージに上がってきた9人、各人所定の位置につき、小さく前習えをした状態で指を鳴らすような独特のポーズをとる。

1曲目は”Dolls”。
今年1月に発表された現在の9人体制での初めての楽曲だ。
ホーンが効いたファンキーな(Nine Musesにしては)ゆったりしたグルーヴが気持ちいいR&Bチューン。
決して攻めではないこの楽曲を1曲目に持ってくるのは意外だった。
可愛い可愛いのグループではない、エレガントでセクシーな大人のグループとしてのアイデンティティを誇示したようなこの楽曲、彼女達の活動曲としてはおとなしめの曲で、緩急の緩の面を代表するレパートリー。

エレガントなウェーブのダンスで魅せる一方、ひたすらファンサービスに徹するセラが、ユエリンラップ中にウンジとカップルダンスでアドリブを披露、客席は盛り上がる。
これを筆頭に、終始ファンサービスを忘れない彼女たちの姿勢がとても印象的。
単独コンサートツアーなどは行っていないものの、軍の慰問公演などで培ってきた幾多のステージ経験がものを言っているように思える。
ふんだんなファンサービスと共に印象的だったのは筋肉質な足。
TVのモニターや写真では美しいモデルそのものの彼女たちだが、ひたすらに細いだけとは異なり、まるでアスリートのような鍛え上げられた肉体を持っていることが、直接対面して見ていると良く判る。

曲が終わり古家さんが再び登場、メンバー自己紹介からのトークタイム。
身長179cmあるという古家さんに引けをとらない長身のメンバー達。
ステージ衣装なのでヒールの高さがあったとしても、である。威圧感が凄い。
しかしイスが運ばれてきた後のトークではセラが古家さんの質問を聞いておらず暴走、後列に座っていたユエリンとセムが急に前列と横並びになり古家さんの肩に肘を乗せるなど、「私は学校の先生じゃないんですから!」と突っ込まれる程の自由さ。
ファンに手を振るのは勿論、投げキッスまで、話を振られていないメンバーはやりたい放題→ファンサービスをここでも徹底していた。

MVでのクールな印象と相反する自由さ、お茶目さが、彼女達の魅力のひとつである事が強く感じられる。
一見距離を感じさせるような完璧なルックスの彼女達が、愛嬌を振りまき、親近感を与えてくれる。
このギャップが根強いファンを増やしている理由のひとつだろう。
トークでは最も日本語の上手いヒョナが大活躍、他のメンバーも日本語を交えながら笑いの絶えないやりとり。
妹キャラの引き立つヘミと、本当はマンネながら冷静で一番落ち着いたミナの対比も楽しい。
韓国のお勧めスポット、美を保つ秘訣、翌日同ステージに上がる予定の事務所の先輩ZE:Aについてのトークが終わり、待ちに待った次のパフォーマンスへ。

2曲目は2011年発表の”Figaro”。
Sweetuneが初めて彼女達に提供した曲であり、最年長のヒョナが新加入し、また一時離脱していたユエリンが復帰して現在のメンバーの内7人が揃い、今につながる活動のスタートを切った曲。
ファンキーなベースとクリーントーンのギターのカッティングがかっこいいSweetune節にのせてメンバーは隊列を崩すのもいとわずやりたい放題。
最終的にはセムが転びかける瞬間もあった。

多少遊びを入れても全体のダンスの基調が乱れないのは大所帯グループの利点。
また、この曲を筆頭にSweetuneの手がける楽曲の、ほんのりと80、90年代の日本の歌謡曲の匂いを感じさせるメロディーが、日本のファンに支持される要因のひとつと言えるだろう。

「最後の挨拶です」「えー!」とファンの名残惜しさを煽った後に披露された3曲目は最新曲”Wild”。
3分間、最後のサビ前のブレイクを除き1小節も途切れず歌/ラップが入り続ける攻めの1曲。
どんどん速くなっていくような感覚のあるアップテンポの曲調に乗せ、細かくパート分けされたメンバーの歌唱が熱い。
特にサビのセラの熱唱はマイクを通さない生声が聞こえてきそうなくらい。
デビュー以来しばらくは歌唱力が低いことを指摘されていた彼女達だが、2012年以降キョンリ、ソンアの加入によりにレベルアップが図られ、また既存メンバー、中でもセンターを取ることの多いセラ、ヘミの歌唱力は抜群の安定感を得るに至っているので、今は全く心配無用。
韓国内の歌番組でのこの曲のパフォーマンスはファンには既にお馴染みだろうが、生で見る迫力は格別だ。
自身のラップパートが終わり、客席に背を向け髪をかき上げながら隊列に戻っていくウンジの後姿が印象的。

“Wild”収録の最新アルバムについて質問されたセラが答えた「初めての本格的な作品」という言葉が重い。
今回の公演は男性ソロR&Bシンガー イ・ジョンと2組で1時間という極めて限られた時間のステージであったが、現在の活動へ繋がる再スタートとなった”Figaro”、現在の9人体制での初めての作品”Dolls”、続く最新曲”Wild”、という選曲をしたことに現在のNine Musesの意志が垣間見れるように感じた。
現在の人気を確立した人気曲”Ticket”や”News”をオミットしてでも、現在の9人の意思が通った曲を選ぶことを重視したかのようだ。

この日イ・ジョンに対して古家さんが言った「日本進出じゃなくてもいいからただ日本でコンサートしてほしい」という言葉はそのままNine Musesにも当てはまる。
今回の会場が東京ドームシティー内だったこともあり、公演終了後セラが「東京ドームでもやってみたい」と勇ましいツイートを上げていたが、日本での公演はまた是非行ってほしい。
今自分達が立っている場所を確かめるような選曲、ツボを押さえたファンサービス、迫力のあるパフォーマンス。
名前の通り9人体制となった現在のNine Muses、是非単独公演を見たい、そう思わせるに十分なステージだった。
まずは近々予定されているという次なる活動に期待しよう。

メンバー

ウンジ


ソンア


ユエリン


ヒョンア(ヒョナ)


ヘミ


ミンハ(ミナ)


リセム


キョンリ


セラ

(文:ecstasy1018 / 写真:編集部・TAMI)