2015年、日本に上陸したコリアン・アイドルの中でも、彼女らは別格。「疲れた、そして退屈な日常を吹き飛ばせ」をテーマに演じるステージはまるでボードビルショーのように楽しさいっぱい。「アルタン(タラのたまご鍋)」「ペチュポサム(白菜ポッサム)」と言った曲名を聞いただけでも興味がそそられ、方言で演じるラップに引き込まれちゃう。会場の誰もが元気をもらい、みんなを笑顔にする。そんなハッピー・ヒップホップで、ここ日本でも大きな飛躍が期待されるのがプンデンイ(PUNGDENG-E)だ。
チーム名は、風を吹き起こす可愛い女の子、の意。奇想天外娘のパルガン(Red)、「ポジティブでボーッとするのが大好き」な天然娘のノラン(Yellow)、そして「末っ子でリーダー、何でもこなす」大胆娘のパラン(Blue)の3人がメンバーだ。
そんな彼女らが11月28、29日に来日イベントを開催。28日にはBIGFUN平和島イベントホールで「プンデンイ ハッピーショー Vol.1」を行い、プンデンイの風を吹かせた。「みんなプンデンイ知ってる?」が彼女らの合言葉。知らなくても、彼女らの元気な勢いに、ついつい「知ってる」と答えたくなる。そして「今日はみんなでハッピーになりましょう」と会場に集ったファンを幸せ色に包み込んだ。
パルガンは日本のアイドルグループ、嵐が大好き。ノランは「中学時代にドラマ『花より男子』を初めて見て、高校生活がバラ色になるんじゃないかと思った」と笑う。そして、ライブでは彼女いない歴の一番長い人を選んで「この瞬間だけでも幸せになってほしい」と歌をプレゼント。「日本に来て、彼氏が出来ました~~」と喜ぶ、思いやりのある女の子だ。
また、コメディアン顔負けの圧倒的なトーク力でライブを引っ張ったパランは「佐々木希さんに憧れます」と話す恋愛映画ファン。確かな実力をコミカルさで包みながら、イマドキの可愛らしい女の子らしさを放つ3人にみんなドキドキだ。
ライブは日本人中学生によるカバーダンスチーム、アフロガールズのダンスからスタート。
3人にバトンタッチされると、会場は日本初披露のパフォーマンスに熱気が急上昇!「アルタン(タラのたまご鍋)」ではノランが「一杯飲みますか?」なんて日本語リリックを挿入し、ブラスサウンドとダンスビートがコミカルにミックスする「ペチュポサム(白菜ポッサム)」では“サム・サム・チュム”(ポッサムを食べる風のダンス)で会場が一つに。
最新曲の「ピピパパ」もピパダンスで沸かせ、「みんなも飛んだり踊ったりしてほしい」と話してスタートした「チャルタン(寝る時間がどこにある)」はEDMスタイルでノリノリ。本編最後の「ヨクチョン(逆転)」では正統派アイドルのようにキュートさを表現した。
3人が個性を発揮するのはオリジナル曲だけではない。カバー曲もその絶妙なチョイスでファンを泣かす。チョ・ヨンピルの名曲「釜山港へ帰れ」はノランのボーカルにパルガンとパランが合いの手とラップを入れ、ヒップホップ調にリメイク。アメリカの女性グループ、Salt-N-Pepaの「Shoop」は本気モードな3MCでカバーした。
そして、PSYの「カンナムスタイル」はパランがラップを演じ、パルガンとノランがダンスで援護射撃。“初来日”を感じさせない堂々としたステージングで魅了した。
そして終盤には彼女らからこんなメッセージが。
パラン「韓国に帰っても皆さんのことを思いつつ活動していきますので、たくさん応援してください」
ノラン「日本の皆さんと初めてお会いできれすごく嬉しく思っています。次回はたくさん日本語を勉強して、みなさんと直接お話しできるようになりたいです」
パルガン「これは最後じゃありませんよね。今後もずっと継続してみなさんとお会いできればなと思っています!」
さらにライブを終えた3人は新大久保ホットガイドの独占取材に応じてくれた。チーム名から採ったアルファベット、PDEの文字をあしらったキャップをキュートに被ったメンバーたち。すすんで“プンデイ・ポーズ”や“ポッサム・ポーズ”をとるなど、サービス精神も実に旺盛。インタビューも元気モリモリに語ってくれた。
── 皆さんの歌は食べものの歌が多いですよね。次はどんな食べ物をテーマに歌いたいですか?
パラン:
スンデクッパ!
ノラン:
トッポッキ。
パルガン:
日本のお寿司です。「お寿司、おいしい~~」って可愛らしく歌いたいです。
── 今日のライブはコミカルなステージでした。でも、普段の皆さんは?
パラン:
もちろん、私たちも女の子ですよ(笑)。化粧品のモデルもやっています。だから、ステージとは違う姿をお見せできると思いますよ。
ノラン:
例えば、女性の清純な魅力とか。私はピュアガールです!
パルガン:
本当の私はセクシーガールです!
パラン:
ワ~~オ!
── プンデンイにはコガネムシという意味もあります。好きな昆虫は何ですか?
全員:
もちろんコガネムシです~~。
── それ以外では?
パラン:
てんとう虫!
パルガン:
クンベンイ(セミの幼虫)です。
── えぇっ、幼虫ですか??
パルガン:
形というより、プンデンイという名前に似ているのがいいなって。
── そしてファンクラブの名前は“カブトムシ”です。もし、日本でファンクラブを作るなら、どんな名前がいいですか?
パラン:
プンデンイに似た雰囲気の名前がいいですよね
パラン:
カブトムシは韓国語で“長寿コガネムシ”って表現するんです。
パラン:
だから、長寿というイメージのある名前がいいな!
── 日本で長寿というと、例えば、亀?
全員:
そうそう。そんな感じの名前がいいです
── 皆さんの名前は色ですよね。それぞれ、自分の性格のこんなところが、青、黄、赤、というのを教えてください。
パラン:
包容力があって、クールなところが青です。
── パランさんはお笑い芸人顔負けのトーク力がありますよね。
パラン:
実はお笑いもやりたかったんですよ。PVを紹介する番組でMCをやったこともあります。
ノラン:
私は可愛いイメージもあるので、黄色です。この名前をもらって、もっと可愛らしくなるようにがんばっています。ヒヨコも黄色じゃないですか?
── いつもヒヨコみたい?
ノラン:
はい、そうありたいです(笑)。
パルガン:
私は情熱的なところです。ラッパーですからね。それと、ちょっと直情型でひとつのことに夢中になるタイプです。
── 尊敬する先輩は誰ですか?
パラン:
PSY先輩です。3人全員、先輩の情熱とエネルギーを見習いたいと思っています。
ノラン:
個人的にはBoA先輩です。
パルガン:
私はユン・ミレ先輩のように、ラップも歌ももっと本格的にできるようになりたいです。
パラン:
私はBIG MAMA先輩です。たくさん練習して、先輩のような歌唱力を身につけたいです。
── ありがとうございました。次回の来日も楽しみにしています。
(文:きむ・たく / Hair Make:YOSHIMI, KARASAWA TOMOKO)