去る11月29日(金)、新大久保最大規模の多目的イベントホール、K-Stage O!にて、「新大久保ドラマ&映画祭」の公式発表会が開催された。同イベントの実行委員会および事務局は、さまざまな人種、職業、立場の人々が自らの利害を超え、「新大久保を元気にしたい!」という想いで結集、構成されており、2014年3月下旬のイベント開催を目指している。
この日の公式発表会では、実行委員長団 代表委員長 李承珉(イ・スンミン)氏による挨拶と、事務局長の原田徹(はらだ・とおる)氏による経過報告に続き、業界関係者や地元有力者が激励の祝辞を述べ、フォトセッションも行った。
さらに今回の公式発表会では『サニー 永遠の仲間たち』、『ラブレイン』などで知られる次世代韓流スター、キム・シフが同イベントの広報大使を務めることが明らかに!会場ではキム・シフ本人の動画メッセージに加え、今年11月に韓国内で公開されたキム・シフの映画初主演作『少女』(原題)の予告編が上映された。来たる12月28日(土)、キム・シフは浅草橋HULIC HALLでファンミーティングを控えている。その前日に当たる12月27日(金)、『新大久保ドラマ&映画祭』実行委員会主催による広報大使就任発表の記者会見が都内で行われる予定だ。
公式発表会の終了後には、2013年度の“大鐘賞”4部門に輝いた、韓国映画歴代動員記録3位の大ヒット映画『7番房の奇跡』(コムストック・グループ配給)の特別試写会も行われ、盛況のうちに幕を閉じた。
「新大久保ドラマ&映画祭」実行委員長団 代表委員長 李承珉(イ・スンミン)氏による挨拶
李承珉「1980~90年代の新大久保には何かと暗いイメージがつきまとっていました。それが21世紀に入り、2003年に『冬のソナタ』が日本初放送されると“韓流”ブームが到来し、新大久保の街は一気に華やぎました。しかし2012年頃から日韓の政治的な問題が持ち上がり、新大久保の街は活気を失い、お客さんが遠のいたため、店舗経営者はみな苦しい状況に直面しています。さらに追い打ちをかけたのが、ヘイトスピーチや一部マスコミによる韓国バッシングです。新大久保に根ざして商売をしている我々は、きわめて苦しい日々を過ごしているのです。
そんななか、少しでも現状を打破するために『映画祭を開催してはどうでしょうか?』という声が、若い世代のなかから上がってきました。こうしてプロジェクトが誕生し、今年6月20日にここK-Stage O!で、『新大久保ドラマ&映画祭』実行委員会の発足式を開きました。関係者一同、映画祭を成功させるにはどうすべきか、これまでに何度も会議を重ねました。そして今やっと、公式発表会を開催したわけですが、本当にうまくいくかどうか不安を感じつつも、来年3月に向けて一生懸命がんばる所存です。
『新大久保ドラマ&映画祭』は、他の映画祭とはひと味違うイベントです。なぜなら『新大久保ドラマ&映画祭』は、多文化共生を象徴する街である新大久保のイメージを一新させ、街の文化性を高める可能性があるからです。さらに日本人と韓国人が力を合わせて開催することによって、冷え込んだ日韓関係を民間の力で改善し、日韓両国の末永い友好、連帯のきっかけになればと願っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
「新大久保ドラマ&映画祭」実行委員会 事務局 原田徹(はらだ・とおる)事務局長による経過報告
原田「本日はお忙しいなか、『新大久保ドラマ&映画祭』にお越しくださり、誠にありがとうございます。実行委員長より先ほど、実行委員会が今年6月に発足したとの話がありましたが、厳密にはそれ以前の有志一同による会議で、実行委員会が9名の委員によって発足しました。そこから事務局が誕生させ、今年6月から本格的に動き出しました。
実行委員長が申し上げたとおり、『新大久保ドラマ&映画祭』は従来の映画祭にはない斬新な要素を持っているイベントです。そもそも映画祭は国際性やテーマ性を内包しており、映画という総合芸術を一堂に集めて上映することで、世界各国や地域の歴史風俗、さまざまな文化に触れる機会を提供しています。しかも新大久保は多文化共生を象徴する街で、コリアンタウンという名前が示すとおり、まちおこしのシンボルになりえる場所だと考えています。我々のねらいは、先ほど実行委員長が申し上げたとおり、新大久保を再活性化させることもさることながら、新大久保の新しい価値を見出すことにあります。
と申しますのは、新大久保は平日でも、主に韓国・韓流に関心のある来街者が約6000~7000人も集います。休日に至っては1万人以上の来街者を引き寄せています。ある特定の目的のために、これほど多くの人が集う街は日本全国でもあまり例がないのでは? と思われます。韓国ドラマや韓国映画、もしくは韓国に関連するさまざまな商品・サービスを扱う企業様に、このイベントを通じて新大久保という街の高いプロモーション価値を再認識してもらいないだろうか? この点について、我々実行委員会および事務局は数ヶ月間にわたり話し合ってきました。
今年10月には、韓国の映画関係者、ドラマ関係者に我々のプランを直接ご説明するため、代表委員長と私、そしてプログラムディレクターの本田恵子(ほんだ・けいこ)の3名で釜山国際映画祭に出張。釜山国際映画祭の実行委員長やプログラムディレクター、ソウルの韓国コンテンツ振興院、韓国映画振興委員会などを表敬訪問し、ご協力を仰ぎました。その後、来年3月の上映予定作品の選定作業に取りかかり、早ければ年内には上映作品の選定をほぼ終了させ、来年1月中~下旬にラインナップを発表しようと考えています。
さて、本イベントの広報大使を務めていただく次世代韓流スターをご紹介します。初の主演映画『少女』(原題)が今年11月に韓国内で公開され、日本でもドラマ「ラブレイン」、映画『サニー 永遠の仲間たち』で注目の俳優、キム・シフさんです。たいへん残念ながら、キム・シフさんはスケジュールの都合上、本日は来日できませんでしたが、12月28日に浅草橋HULIC HALLでファンミーティングを開く予定です。その前日の12月27日、ここK-Stage O!にて、『新大久保ドラマ&映画祭』実行委員会主催による広報大使就任の発表の記者会見を行う予定なので、ぜひご取材いただけますよう、お願い申し上げます。
最後になりますが、のちほど『新大久保ドラマ&映画祭』実行委員会が映画を初めて上映いたします。2014年お正月第2弾として、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショーされる『7番房の奇跡』を、特別試写会という形式で上映させていただくことになりました。実現に当たっては、日本の配給元であるコムストック・グループ様にご尽力いただきました。あらためて感謝申し上げます。
今後のスケジュールですが、早ければ年内に作品の選定を完了し、来年1月にラインナップを発表。1月下旬からチケット販売を開始し、約2ヶ月間の宣伝・広告期間を経て、来年3月に開催できればと考えています。今後ますます、『新大久保ドラマ&映画祭』は加速していきますので、みなさまのご協力を何卒よろしく申し上げます」
「新大久保ドラマ&映画祭」実行委員長団 共同委員長 具哲(ク・チョル)氏による締めの挨拶
具哲「私は留学生として来日して以来、日本で25年間も暮らしています。最近の新大久保は、景気があまりよくありません。そこでみんなで集まり、『この状況を改善するにはどうすべきか?』『どうやってまちおこしをすべきか?』を相談し合ったところ、『ドラマや映画の上映会を開いたらよいのでは?』という結論に至り、ここまで走ってきました。この日を迎えるまでは数々の意見の相違がありましたが、その都度話し合いを重ねながら乗り越えてきました。さまざまな方々の協力を仰ぎながら、これからもっとがんばりたいと思っています。このイベントの目的は、利益を上げることではなく、新大久保のまちおこしのためにあります。たくさんの方々のご協力をお願いいたします」
『7番房の奇跡』
これはすべての人の心を揺さぶる“塀の中”で起きた奇跡の物語。
別れは、永遠の誓い
さよならは、笑顔で
『アイ・アム・サム』、『ライフ・イズ・ビューティフル』、『リトル・ダンサー』と父子の物語で感動を与えてくれた作品に続き、現在という時代に生まれたのが、この父と娘の物語である。『シュリ』、『私の頭の中の消しゴム』、『王になった男』という話題作を越え、韓国映画歴代動員記録3位を樹立し、老若男女を問うことなく、多くの観客の笑いと涙を誘った大ヒット作がいよいよ日本公開となる。
2014年お正月第2弾シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館他全国ロードショー!
配給:コムストック・グループ
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キャスト:リュ・スンリョン(『王になった男』)、パク・シネ(「美男ですね」)、カル・ソウォン(映画初出演)、チョン・ジニョン(「トンイ」)、オ・ダルス(『オールド・ボーイ』)、パク・ウォンサン(『外事警察 その男に騙されるな』)、キム・ジョンテ、チョン・マンシク(『息もできない』)、キム・ギチョン他
監督:イ・ファンギョン
脚本:イ・ファンギョン、ユ・ヨンア、キム・ファンソン、キム・ヨンソク
2012年/127分/カラー/スコープサイズ/5.1ch/韓国語/原題:7번방의 선물/英題:Miracle in Cell No.7
配給:コムストック・グループ 配給協力:キノフィルムズ
公式サイト:http://7banbou.com