韓国のトップ歌手が認めた3人によるスペシャル・ユニット、THE HIDDENインタビュー

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韓国では歌謡バラエティが花盛り。中でも“「本物は誰だ?」(土居まさる司会のクイズ番組)的ドキドキ感と、本格派の歌声を一緒に楽しめる”として話題の歌番組が「HIDDEN SINGER」だ。

スタジオには、プロのトップ歌手と全国から選ばれた歌声そっくりさんがズラリ。観客席からは見えない場所で、全員が一つの曲を歌い繋ぎ、一体誰が本物かを当てるのがこのプログラム。そっくりさんはアマチュアながらもレベルが高く、聞き分けるのは超ハード。「マジ? ホント?」と騙されることが快感にすらなっていた。

そんな番組(シーズン2)出身のソックリさん歌手によって結成されたのがTHE HIDDEN。彼らが3月15日から27日にかけ、東京公演(会場:新宿COCO HALL)を開催した。

メンバーはジノ(シン・スンフン。以下、括弧内はメンバーが真似た歌手)、チョルミン(キム・ボムス)、ソンヒョン(チョ・ソンモ)の3人。真似られた歌手本人も認める実力を持つだけあって、メンバーのボーカルワークは本物。3人で積み上げてきたキャリアが「真似っ子でしょ、そっくりさんでしょ」なんて声を吹き飛ばす。オリジナルの輝きを放つパフォーマンスに日本での人気も急上昇中だ。

―― 早速、自己紹介からお願いします!

ジノ:
シン・スンフン編で優勝したジノです。

チョルミン:
キム・ボムス編で準優勝のチョルミンです。THE HIDDENでは次男になります。

ソンヒョン:
チョ・ソンモ編で優勝し、チームの末っ子を担当しているソンヒョンです。

―― ソンヒョンさんは、ライブのMC中、「お母さん担当」と自己紹介されていましたが?

ソンヒョン:
母性がある、という意味でした。

チョルミン:
そう? 僕はそんなに母性を感じないなぁ。僕とジノさんのボディーガードという感じですし。

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―― 強いんですね?

ソンヒョン:
韓国ではテコンド、合気道、柔道など、たくさん運動をしてきましたから。

―― さて、皆さんは先輩歌手の歌を真似ることで有名になったわけですが、そもそも、真似ようと思ったきっかけは何でしたか?

ジノ:
「HIDDEN SINGER」出演前から「スターキング」というバラエティ番組で歌真似をやっていました。それで、それを見た「HIDDEN SINGER」の構成作家さんから連絡をもらったんです。

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―― 「スターキング」でも、シン・スンフンの歌真似を?

ジノ:
スンフンさんは少しで、他の歌手をよく真似ていました。例えば、キム・ジョンソさん、キム・ジョンミンさんとか。でも、スンフンさんが一番似ていたと思います。ただ、その時まで、スンフンさんの歌真似をしたことがありませんでした。たまたま、彼の代表曲「I Believe」を歌ってみたら、似てるんだなって自分でも分かって。本当、偶然でした。

チョルミン:
僕は中学3年生くらいの時から、世界で一番好きな歌手がボムスさんでした。そしてボムスさんの「会いたい」(ドラマ「天国の階段」主題歌)を完璧にコピーできれば、多くの人から支持されるんじゃないかな、と思ったのがきっかけです。幼いころは高い音域の声が出なかったんですが、ボムスさんと同じように歌いたいと思ったからでしょう、徐々に実力も技術もついてきました。僕も構成作家さんから連絡をもらって番組に出演しました。

―― 眼鏡をかけているのも、ボムスさんのルックスを意識して?

チョルミン:
これは伊達メガネですが、そうではありません(笑)。眼鏡をしてないと、周囲から怖く見えるみたいで、印象を良くしようと思ってかけています。

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ソンヒョン:
僕は声が綺麗なので、ソンモさん、ソン・シギョンさん、シン・スンフンさんの歌を好んで歌っていました。で、そうした先輩方の歌い方は似ている部分が多いので、出演にあたり、誰の歌を真似ようか、悩みました。シギョンさんはシーズン1で終わっていたからシギョンさんは外して、ソンモさんは小学生時代から好きだったので、彼の歌を真似ようと決めたんです。

―― 番組出演前は何をしていましたか?

ジノ:
僕はポップ・オペラの歌手を10年ほどやっていました。

チョルミン:
僕は田舎でアイドル志望の子を教えるボーカル・トレーナーをしつつ、同時に実家の農業を手伝っていました。牛や兎を育てていたんです。歌いながら、牛の背中をさすったり、ってことも(笑)。

ソンヒョン:
僕は歌手になりたくて、いろんな企画会社を周っていました。でも、それがうまくいかず、ミュージカル俳優に挑戦し、3作ほど出演しました。そして、その後、チョルミンさんと同じくボーカル・トレーナーをやっていました。

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―― 番組での共演後、真似た本人からアドバイスはありましたか?

ジノ:
スンフンさんから「本当にいい歌手になってください」とメッセージをもらいました。

チョルミン:
ボムスさんと2人で会った時に「世界で一番好きです」とお伝えしたんですが、あんまり、歓迎されませんでした。「僕はただの歌手だから、他の歌手にも目を広げるように」っておっしゃって。「僕の真似をして、僕のいいところを盗むのもいいけど、君だけの良さもあるから、それを追究して、もっていい歌手になりなさい」とアドバイスいただきました。実は番組出演前に別のオーディションを受けて、ボムスさんの「最後の愛」を歌ったら、「歌があまりにボムスに似ていて、個性に欠ける」と判断されて落ちたことがあります。個性も大切ですよね。

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ソンヒョン:
ソンモさんに連れて行ってもらったフグ屋で一緒にお酒を飲んだとき、「謙虚な姿勢で歌いなさい」とアドバイスしていただきました。

―― ジノさんは他の歌手を真似るのも得意とのことでしたが、他のお二人はいかがです?

チョルミン:
少しですが、K Willさんとキム・ドンニュルさん!

ソンヒョン:
僕はソン・シギョンさんと女性歌手のヤン・ヒウンさん、そしてバンドBUZZのミン・ギョンフンさん!

―― お互いを見て、「一番似てるな」と思うのは?

ジノ、チョルミン:
ソンヒョンさん。

ソンヒョン:
僕はそう思わないんですけどね(笑)。僕はジノさんが一番似てると思う。スンフンさんの回を見たんですが、ジノさんの歌が絶対にスンフンさんだと思ったくらいですから。

―― 「歌以外でも、ここが似てるよ」というところはありますか?

チョルミン:
僕はボムスさんと目が似てます。僕のニックネームは「10時10分」! 両目が吊り上がって、10時10分を指す時計の針みたいでしょう(笑)。

ソンヒョン:
僕はソンモさんと口調が似てると言われます。

チョルミン:
そうかなぁ、どうだろう?

ソンヒョン:
じゃ、似てないのかも(笑)。

―― 意識せずとも、スンフンさん、ボムスさん、ソンモさんの歌声に自然と似ちゃう、という経験はありますか?

チョルミン:
真似るというは、その人を思って考えること。僕の場合なら声のベースがボムスさんですから、自然とそうなっちゃいます。

―― 真似ることと、THE HIDDENのメンバーとして歌うこと、何が違いますか?

ソンヒョン:
歌真似には技術が必要です。そして真似ることに集中しすぎて、感情移入が疎かになることもあります。でも、THE HIDDENの歌には深い感情を込めるので、その点が大きな違いですよね。

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―― 最後に今後、日本での挑戦したいことを教えてください。

ソンヒョン:
まずは、もっとライブに来てくれるお客さんを増やしたいですね。

ジノ:
僕たちの歌が日本でどの程度通じるのか、まだ分からないところもあるし。だから、もっとたくさんの方に僕らの歌を知ってもらって。

チョルミン:
そして、日本語でのシングルをリリースしたいですね。

―― ありがとうございます!

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(文 : きむ・たく)

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