韓国紅一点、ジャジーヒップホップ・プロデューサー、Shirosky インディ界の要注目バンド、Manju Pocketが東京で合同ライブを開催!

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3月25、26日、ジャジーヒップホップ・プロデューサーのShirosky(シロスカイ)とインディ・バンドのManjuPocket(マンジュ・ポケット)が来日。都内で2日間に渡り、ライブを行った。

ヒップホップとインディ・バンドという、ちょっと意外な顔合わせでのジャパンツアー。実はShiroskyとバンドの鍵盤奏者が大学の授業で隣り合わせの席に座ったという偶然からすべてがスタート! その後、両者はコラボ曲をリリースするようになり、合同来日ライブへと結実した。

2日目の会場となったのは東京目黒の祐天寺にあるバー、Music bar & studio Apt.。レコーディングスタジオやDJブースを併設した音楽好きにはたまらないお洒落スポットだ。
日本サイドのDJやシンガーも迎えたこの日、韓国勢はShiroskyのDJからスタートした。

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韓国ジャズ・ヒップホップ界のプロデューサーとしては紅一点の彼女。ヒップホップ~ジャジー・ヒップホップを跨ぐエレガントな選曲は女性ならでは。日本語も堪能な彼女はレゲエホーンを響かせながら、滑らかな日本語MCでも沸かせ、最後はManju Pocketとのコラボ曲「Tie-Dye」をプレイ。そしてManju Pocketへとバトンタッチした。

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Manju Pocketのオープニング「男たちは変」ではリーダーのヨンスが「この曲では本当はカホンを演奏するのですが、韓国から持ってくるのは大変なので、今日はギターで!」と話し、会場を和ませる。そしてイーグルスの「デスペラード」やマイケル・ジャクソンの「ビリージーン」といった洋楽を挟みながら、オリジナル曲でも勝負。「スルド・ハンジャン(お酒、飲みましょう)」ではフロアが「チョア・チョア」と声をかけ、その合いの手にボーカルのManjuが見事なフェイクを重ねていく。また、オリジナル・バージョンは男性歌手とのデュエットだが、この日はManjuが一人二役を演じて大活躍。R&Bやソウル、また、韓国人ブルース歌手のハン・ヨンエ、そしてお母さんが大ファンだったというシム・スボンを聴きながら育ったという彼女の歌声はとてもタフで懐が深い。しかも、時に凄みも放ち、その歌声は圧倒的。幼少期をアメリカのシカゴで過ごしたこともあり、洋楽もしなやかに歌うなど、芸幅が広い。5曲のステージではあったが、Manju、そしてManju Pocketは豊かな才能を見せつけた。

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では、ライブ当日に行ったインタビューをお届け!

Shirosky

―― アーティスト名のShiroskyは“白い空”を意味する綺麗なお名前ですね。

本名がハヤンで、韓国語では“白い”という意味。大学では日本の政治や歴史を専攻していたので、クラスでは“Shiro”と呼ばれていました。それに私が大好きな単語の“ハヌル、Sky”をつけてShiroskyというアーティスト名にしたんです。

―― 2010年に発表したデビュー作『The Orbit』はPe2ny(Epik HighのTabloともコラボアルバムを発表しているプロデューサー)のレーベルからリリースしています。

Pe2nyさんは私の先輩かつ先生で、私が今やっているジャズ・ヒップホップもPe2nyさんの影響が大きい。でも、それ以前から日本のジャズ・ヒップホップが大好きで、Nujabesさんや西原健一郎さんを聞いて音楽的な影響を受けました。

―― その後、坂本龍一とのコラボで知られるMC SNIPERのSNIPER SOUNDにも入りました。

MC SNIPERさんも私が大好きなミュージシャン。新しい環境で、新たな音楽を作りたいと思った時に、SNIPERさんが応援してくれて「一緒に音楽をやろう」と声をかけていただきました。「SHOW ME THE MONEY」のシーズン1で、彼とLOCOが歌った「サランヘッチャナ(愛してたじゃない)」は私がプロデュースしたんです。でも、今は契約が終了し、去年からフリーです。

―― 今後、事務所と契約していこうという意志はありますか?

それはもちろん。オファーもいただいていますが、まだ若いので、その前に、いろんな経験を積んでみたいなと思っているところです。

―― 『DOMINO』(2014年)ではハウスも取り入れています。それはジャズ・ヒップホップだけじゃない、というお気持ちからですか?

昨年末に発売した『La lecture』が初の正規アルバムになるんですが、その前にいろんな実験をしてみたいと思い、ハウスにもトライしました。

―― 『La lecture』からShiroskyさんの本格的な歩みが始まった?

はい。そのアルバムから、ジャズヒップホップ・プロデューサーとしての私の本当の活動が始まったんです。

―― アルバムに収録された「Tie-Dye」ではManjuさんをフィーチャーしています。

Manjuさんは本当に才能に溢れた人。私はハン・ジュニさんと同じ大学に通っていて、音楽の授業で、偶然、隣に座ったんです。それからバンドのメンバーと知り合いになって、一緒に曲を作りました。

―― 今回はDJとしての来日になりますが、ご自分の中で、DJとプロデューサー、どちらに重心を置いていますか?

私はプロデューサーです! DJを始めてから、まだそんなに時間が経っていないので、勉強をしながら、という段階。DJを始める際、いろいろ学ぼうと、最初にDJのSchedule 1に連絡しました。彼は韓国ヒップホップの第一世代で、小さい頃から好きなDJでしたから。最近はディスコ、ハウス、チルもプレイしているんですが、今日は私の大好きなジャズヒップホップミュージシャンの曲をミックスしながらDJをしました。

―― 韓国でのジャズ・ヒップホップの人気は?

まだそんなに人気はありませんが、熱心なファンは増えています。メロウなヒップホップの人気なので、今後、ジャズ・ヒップホップの人気も高まっていけばいいな! 私もシーンを広げる一人になれれば、と思いますしね!

Manju Pocket

―― 自己紹介からお願いします。

ヨンス:Manju Pocketのリーダー、チェ・ヨンスです。

Manju:ボーカルのManjuです。

ジュニ:キーボードのハン・ジュニです。

―― Manjuさんはオーディションを勝ち抜いてバンドに参加されたんですね。

ヨンス:オーディションに申し込んでくれたのは22人。その中でもManjuの声がすごいと思い、即決しました。

―― みなさんの音楽についてご紹介ください。

ヨンス:僕らの音楽は韓国風ソウル、そしてポップ・ミュージック。フォークの要素も入っていますが、ソウルやR&Bの方が強いと思います。

―― ライブでも披露してくれた「お酒、飲みましょう」はポンチャックの要素も入っていて、楽しさ満点です! ポンチャック・ソウルと呼べそうですね。

ヨンス:そうかもしれません。でも、韓国スタイルのブルースと言えるんじゃないかな(笑)。

―― ブルース、ソウルなど、多彩なジャンルを歌ってもブレないのはManjuさんの歌声の力強さに秘密がありそうです

ヨンス: 僕もそう思います。彼女の歌声があって、僕らは特別の音楽が出来るんです。

―― Manjuさんはオーディションを受けるまでは会社員をやってたんですよね?

Manju:はい、それまではマーケティングの仕事をやっていました。

―― Manjuという芸名をつけたのも、最初、会社にバレたくなかったからとか?

Manju:そうです。自分で名前を付けました。

ヨンス:Manjuを漢字で書けば饅頭。韓国の饅頭は形が可愛いから、彼女には今の名前がぴったりだと思います(笑)。

―― 韓国で饅頭といえば、甘い饅頭と餃子みたいな饅頭がありますが、Manjuさんのイメージはどちらですか?

ヨンス:韓国の駅で、カスタードクリームが入ったシュークリームのような饅頭を売っています。その味です。

ジュニ:僕がイメージするのはキムチ饅頭かな?

Manju:キムチ? 何、それ~~?

ヨンス:実は僕もそう思います(笑)。

Manju:キムチ・カスタード饅頭ってこと(笑)?

ヨンス:やっぱり歌声が韓国式だから、キムチ味かなって。

―― 確かに韓国的な強さを感じます。では、ポケットの意味は何でしょう?

ヨンス:マンジュもポケットも可愛い……最初はそんなイメージでバンド名を付けました。でも、今は意味がありません(笑)。

―― ところで、今回、Shiroskyさんと一緒に来日することになったのも、ジュニさんがきっかけなんですね。

Manju:ジュニとShiroskyが同じ大学に通ってて。

ジュニ:コンピューター音楽の授業で一緒になったんです。第一印象は勉強熱心で物静かな子だなって。

Manju:そして「Tie-Dye」では最初にShiroskyが曲を作って、それから私が詞を書いて。

ヨンス:僕はそれが終わるのを待っていました(笑)。

―― 海外公演は今回が初ですね。

ヨンス:楽しかったです。日本での初公演ですから緊張しましたが、皆さんが優しく迎えてくれましたから。今年、もう一度、日本に来て公演をやりたいです。

Manju:私も日本でやれてとても幸せ。みんな情熱的に聴いてくれたので、うれしかったし、もう一度、日本に来たい!

ジュニ:緊張もしたけど、本当におもしろかった。

ヨンス:ロックスターになった気持ちです(笑)。

―― Manju Pocketを知らないリスナーのために、お勧めの曲を教えてください。

ヨンス:「お酒、飲みましょう」「男たちは変」。ソウル~ブルース・スタイルの音楽をお勧めしたいです。iTunesでも曲を買えますので、是非、チェックしてみてください。

―― お酒が似合いそうなバンドじゃないですか?

ヨンス:僕たちの音楽は夜の街が似合うイメージですから、確かにそうかも。

―― コーヒーよりお酒を飲みながら聴くとハマリそう?

ヨンス:でも私はお酒を飲みません(笑)。いつもコーヒーばっかりで。

Manju:私はたくさん飲みます。

ジュニ:僕は普通かな

Manju:嘘! たくさん、飲みますよ(笑)!

―― 最後にヨンスさんから日本のファンに向けてメッセージを!

ヨンス:「I love Japan!」。ロックスターっぽいでしょ(笑)!

(文:きむ・たく)