「日韓交流おまつり」がオンラインで開催 バラエティ豊かなプログラムで深まる韓国愛

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9月11日(土)、今年で13回目を迎える日韓文化交流の祭典、「日韓交流おまつり 2021 in Tokyo」が開催された。昨年同様、コロナ禍という状況を踏まえてオンライン上で行われた今回のテーマは「会えなくても共に歩もう」! プログラムの多くは事前収録となったが、駐日韓国文化院・ハンマダンホールからの生配信も交え、多くの視聴者を魅了した。

今回もナビゲーターとしてMCを務めた古家正亨(左) YUMI(右)

今回もナビゲーターとしてMCを務めた古家正亨(左) YUMI(右)

伝統音楽からクラシカルなステージまで

開会のメッセージに続く祝賀公演は、ピアニストの高木里代子率いるジャズトリオがBTSの「Butter」を生演奏でカバー。高木がエレガントなソロ・プレイからグリッサンドを華麗にキメると、ベース(塩田哲嗣)とドラム(山内陽一朗)が加わり、ステージはグルーヴィンな熱さを帯びていく。

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そんなジャジーなステージから一転、続く「日韓交流ステージ」では日本を舞台に活躍する3組が登場する。まずはテピョンソ(管楽器)奏者をゲストに迎えた女性打楽器演戯団のTannpiがステージに立ち、伝統芸能である「風物ノリ」をパフォーマンス。そこにIRUM舞踊団を主催する金美福がチャンゴ(打楽器)をプレイしながら合流しコラボレーション!打楽器が呼び起こす祝祭感と、金の優雅な舞いが見事に調和し、スペシャルな舞台となった。

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続くBaladinは「冬のソナタ」音楽を演奏するために生まれた小さなオーケストラで、この日も韓国ドラマOSTの名曲をカバー。「梨泰院クラス」の主題歌「はじまり」、「愛の不時着」の挿入歌「もう一度私は、ここに」をクラシックなスタイルで演奏すると、ドラマの感動が蘇る。

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そして、韓伯日の多国籍奏者によるユニット、アンサンブル紫音が、このコーナーのトリを飾り、韓国民謡の「アリラン」をプレイ。尺八、箏、チェロと、そこに韓国伝統楽器はなかったが、3人の演奏は聴く者の郷愁を誘っていた。

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ハイレベルなクイズに、人気ユーチューバーも参加したダンス

音楽による日韓交流を堪能した後は、クイズで韓国への知識を深める番。事前応募で選ばれた40名がオンライン上で「日韓交流クイズ大会」に参加し、熱戦を繰り広げた。

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“OかXか”で応える予選は「産後や誕生日に飲むスープはワカメスープ」(正解はO)といった優しい問題から、「テコンドーがオリンピックの正式種目となったのは1988年のソウル大会から」(正解はX)と言った難易度高めの問題まで、さまざま。予選を勝ち抜いた20名が参加する決勝戦は難易度がさらにアップし、激ムズ。地理、音楽、文化など幅広く出題され、視聴するだけでも韓国の豆情報がどんどんアップしていった。

クイズ大会の予選と決勝の間には「K-POPダンス」コーナーが組み込まれ、視聴者の体を揺らす。また、事前収録の特性を活かし、複数の場所で撮影した動画を組み合わせることで、ヴィヴィッドな立体感を演出。男女のダンサーが「Black Mamba」(aespa)から「Make A Wish」(NCT U)までをカバーした。

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そして、K-POPダンス・プロデューサーのLiL KyonAが大人気ユーチューバー姉妹、「のえのん」と「ほのぼの」に、K-POPクラシック・ナンバー「Gee」(少女時代)のダンス・レッスンを施すと、二人は「リズミカルで楽しい」と笑顔を見せ、短時間で完璧マスター! 最後は全員で「Gee」を演じて楽しさ満点のフィナーレとなった。

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K-POPを生ジャズ演奏で!

クイズ大会でヒートアップしたお茶の間。それを再び登場した高木里代子ジャズトリオが更に盛り上げていく。「今年初めて『Dynamite』(BTS)のアレンジをしようと思い立った」と明かす高木、「K-POPはトラックが格好良くて大好き。特に少女時代、KARAの曲を作ったトラックメイカーが好き」と話す塩田、そして「K-POPの曲には力がある」と語る山内。

3人は「Kill This Love」「Playing With Fire」「Lovesick Girls」からなるBLACKPINKメドレーと「BANG BANG BANG」(BIGBANG)とでK-POPダンス・ミュージックを躍動するジャズへと変換し、R&Bクィーンのユン・ミレが歌う「Flower」(「愛の不時着」挿入歌)では高木の情感タップリのプレイが聴く者のハートを打つ。そしてBTSメドレーは大胆にしてアグレッシブ! 生演奏ならではの緊迫感が心地よかった。

TOMORROW X TOGETHERがファンとダンス交流

この日のハイライトはまだ続く。「K-POPダンスコンテスト2021」は今を時めくトップ・アイドル、TOMORROW X TOGETHERがダンス・ディレクター兼審査員として参加するスペシャル・プログラム! 120チーム超の中から選ばれた5チームには予めTOMORROW X TOGETHERからダンス・レッスンが行われ、この日、最終審査を迎えた。

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課題曲は彼らの「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)」で、メンバー自身が審査し、その後は参加者一人一人の名前を読み上げ、労いの言葉をかけてくれるという、まさに夢のような企画! 僅差で最優秀賞を勝ち取ったRe:CARATにはテヒョンから「僕たちの曲とダンスを好きになってくれて、ありがとうございました。僕たちの指摘で上達する姿が、漫画のようで感動しました」との言葉が贈られた。

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人気アクトがソウルからホットな音楽をお届け

そしてこの日の幕締めはお待ちかねの「K-POPコンサート」!! 今年はソウルでの事前収録映像を流すことから例年以上にアクト数が多く、豪華なラインアップとなった。

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オープニングでは今年、ロッテ・ガーナチョコのCMソングを歌ったことで一躍脚光を浴びるYUKIKAが「Insomnia」を歌い、アイドルグループのメンバーとして活動歴のあるメンバーのみで構成されるK-POP界の銀河系チームOMEGA Xへバトンタッチ!

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今年リリースしたデビューEPから「OMEGA X」「VAMOS」を届けてくれた。“全員がリーダー”というタレント性の高いメンバーが揃うOMEGA X。「中でも一番才能がある人は?」という問いかけに、メンバーが「セビン」とアンサーすると、セビンは「本当ですか~?」と照れながら、その才能を愛嬌で発揮。メンバーが大塚愛の「さくらんぼ」を口ずさむと、それに合わせ、彼が可愛らしく踊り、ファンを喜ばせた。

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そんな“新人”アイドルグループに、超ベテランの大御所トロット(演歌)シンガー、チャン・ミンホが続く。1997年にアイドルグループ、U-Besのメンバーとして「星の伝説」でデビュー。ハイエネジーなダンスサウンドでスマッシュヒットを飛ばしたが、チームは解散。2004年には男性デュオ、パラムとして再起し、ミドルチューンの「愛する」をリリースするが、注目を浴びずに、入隊を経た2011年にトロット歌手としてリスタート。2013年の番組「私の生涯最後のオーディション」では“ピアノマン”ことLENとのタッグで優勝し、今や押しも押されもせぬ人気を誇る。この日は「トロット歌手としてデビューから10周年。それを記念し、日本のファンから新宿での街頭広告を贈って頂きました。今日はそれへの感謝の気持ちをお伝えできたらいいなと思います」と話して、ブレイクのきっかけとなった「The Man Says」と最新曲「That’s Life」を熱唱。トロットの神髄を伝えた。

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続いたfromis_9は「WE GO」「Feel Good」「LOVE BOMB」の3曲をトーク挿まずに連続パフォーマンス。可愛らしさに溢れる溌剌としてステージにファンは大興奮だった。

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そして、終盤には本日の大注目アクト、イナルチが登場。実はこの日のプログラム中、韓国観光公社制作のPR動画「Feel the Rhythm of Korea」が何度も流れていたが、そこで音楽を担当していたのが伝統音楽を現代音楽への昇華させる、このイナルチ。踊っていたのは世界的バンドColdplayの「Higher Power」(オフィシャルダンス・ビデオ)への出演で話題沸騰中のアンビギュアス・ダンスカンパニーだった。ライブを待たずして、イナルチの音楽にドップリ浸かっていた視聴者を彼らが「Please Don’t Go」と「Tiger is Coming」の2曲で直撃。

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4ボーカル、2ベース、1ドラムスで演じる音楽は、中毒性を超えた呪術性を持ち合わせ、聴く人を異空間へと誘う。しかもどこまでもダンサブルで、ボーカル4人が歌い繋ぐ様はヒップホップのマイクリレーのよう。ヒップでトベる音楽で視聴者を虜にした。次回は是非、アンビギュアス・ダンスカンパニーとの生コラボステージを期待したい!

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トリを飾ったのは女性グループのEVERGLOWだ。まずは最新曲「FIRST」でパワフルなステージングを披露。トーク時にはオンダがキュートバージョンのダンスも披露し、ギャップで魅せる。

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そしてメンバーからダンシング・クィーンに選ばれたミアはキレのあるソロ・ダンスでファンを喜ばせ、アシャは指ハートを添えて、「日本の皆さん、会いたいです」とラブメッセージをプレゼント! その後も「LA DI DA」「DUN DUN」を歌い、全プログラムが大盛り上がりで幕を閉じた。

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(文:きむ・たく / ジャズトリオ生演奏映像 あらすん)

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