ステージ衣装は私物のパジャマ?
韓国の個性派デュオ、NOROZO(ノラジョ)が7月10(日)、11日(月)、新大久保のK-StageO!でライブ「もっと遊ぼう」を開催。計4公演を行った。
まずは“個性派”の3文字では表現しきれない衣装にヤラれる。それはステージ用ではなく、“愛用”と思しき、使い込んだ感のあるパジャマ。足元のスリッパは冬用のふかふか室内スリッパ。
フロントに立つボーカルの二人(チョビン&イヒョク)だけでなく、バックバンドのメンバーもみなパジャマと、他のバンドとの違いはアリアリだ。
一見、イロモノ感漂うコミックバンドだが、その実力は確か。2005年にデビューし、翌年には日本初上陸。来日公演も数知れず、その音楽的センスは氣志團の綾小路翔扮するDJ OZMAをも魅了し、2曲が彼によって日本語カバーされた。
でもなぜパジャマ?
「テーマは規則のない自由なコンサート。ここは公演会場じゃなくて、家と思って気楽に過ごしてください」(チョビン)
つまり、この公演はNORAZOのお家で開かれるパジャマ・パーティー。なんなら、ゴロリと横になってもいいくらいーーそんなリラックスした雰囲気が最高に楽しく、マイ・パジャマ持参のファンもいた。
イヒョクはライブ中「水を飲み過ぎた」なんて断りながらトイレに行き、現場からマイク越しに「スッキリ」なんてレポートも! ステージに戻れば「スッキリ~~」とメタリックなシャウトを見せ、トイレに行ったのがネタなのかマジなのか分からなくなる。
チョビンは客席から汗をフキフキしてもらう担当を決めて、汗をかけば、顔を拭いてもらうため子犬のようにそのファンの元へ。こうした型破りなフリーダム感こそNORAZOコンサートの楽しさなのだ。
「イケメンと変なオジサンがNORAZO」
ライブはポップで可愛らしい「女の人」から幕を開け、序盤から鉄板ソングがオンパレード。OZMAもカバーした「HAPPY SONG」ではイヒョクの高音ボイスが冴え渡り、民放テレビでカレー特集があればBGMとして頻繁に耳にする「カレー」はロックバージョンで雰囲気を一新し、「インド・サイダー」という歌詞を「東京サイダー」に歌い替え。東京バージョンにアレンジし、ファンを喜ばせる。
そして前半部を歌い終えたチョビンは自分たちをこう紹介した。
「イケメン(イヒョク)の隣に変なオジサン(チョビン)がいるのがNORAZO。イヒョクがもっとイケメンに見えるようにーー僕はそのためにいるんです」
チョビンは相方のルックスを絶賛するが、イヒョクのウリはそれだけじゃない。メタルシンガーとも対等に渡り合う彼の歌声は安定感があって、天まで届くような高音ボイスが魅力。XJAPANの「ENDLESS RAIN」のさわりを歌って、その実力を証明した。
また、チョビンは演歌歌手顔負けの腰のある歌声がポイントで、二人で歌えば、無敵のコンビネーションを見せる。
そして、この日はフロアのファン一人一人(記者とも!)とハイタッチ&ハグの大サービス。ファンのリクエストにもその場でポンポン応え、懐の深さを感じる神対応にファンは皆大満足だった。
2016年、待ちに待った日本デビュー!
後半では彼らのライブに欠かせない「さくらんぼ」(原曲:大塚愛)カバーや、AKB48の「ヘビーローテーション」を挟んで、本編最後には楽しさが爆発する「スーパーマン」をチョイス。ファンもステージに上がり、興奮マックスのフィナーレを迎えた。
終わればファンも本人も汗びっしょりで、チョビンは「皆の愛が伝わってくるとテンションが良くなって、もっと汗が出る」と嬉しそう。さらには「皆がいるから結婚しない」とファンに向けて“永遠の恋人”を宣言し、客席は全員メロメロに。
アンコールでも「販売王」「鯖」とヒット曲を連発し、フロアは大盛り上がり。前者では「いらっしゃいませ~」、後者では「皆さん、愛してるよ~」とチョビンがシャウトし、ファンをとことん楽しませた。
二人は9月から日本でも活動し、年内にはCDを発売するという。そして「もう来ないでと言われるくらい日本に来てライブをやりたい」と意欲を見せる。待望されたNORAZOの日本デビューがいよいよ実現する!!
(文:きむ・たく)
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フォトブック / 160710 NORAZO「もっと遊ぼう」