「第二のDEUX」はMCハマーをもリスペクト。1PUNCHのワン、独占インタビュー!

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90年代前半のK-POPを制したダンス・ポップ・ユニット、DEUX(1993~1995年)。活動期間はわずか3年ながら、今なお語り継がれる伝説的グループだ。現在、メンバーの一人、イ・ヒョンドはプロデューサーとして活躍するが、相方のキム・ソンジェはチーム解散後、ソロデビューしたものの、この世を去ってしまった。そんな悲劇がDEUXの思い出を一層強いものにしている。

そして今年1月、“DEUXの再来”と呼ばれる1PUNCHがデビューした。D-Businessエンターテインメントに所属するリーダーのワンと、ブレイブ・エンターテインメントに所属するパンチ(After Schoolの弟分、Seventeen出身)からなる1PUNCHは、二つの有名事務所が総力を結集して作り上げただけに、注目度抜群!オールドスクールなサウンドで他のアイドルと一線を画している。リーダーのワンが代表し、インタビューに応じてくれた。

── ラッパーになろうと思ったきっかけから教えてください。

中学のころから音楽が好きで、特に、当時流行していたNAS、JAY-Z、ノトーリアス・B.I.G.をずっと聞いていました。そして、もっと知りたくなって、RHYTHMERというヒップホップ・ウェブ・サイトのワークショップに参加したんです。当時の僕は、15、16歳くらいで、僕以外はみんな20代、30代。そうしたお兄さんたちと交流しているうちに僕もラッパーになろうと思うようになりました。

── 「第二のDEUX」と呼ばれていますね。

アメリカのヒップホップを聞き始める前から、DEUXは自然に聞いていました。ソンジェさんは男から見ても憧れる存在だったので、インターネットで調べてみたり。DEUXは伝説的なダンスグループなので、そう呼ばれるのは嬉しい反面、プレッシャーもあります。彼らは激しいダンスで知られていましたが、僕はダンスがそんなに上手ではありませんから。だから1PUCHは、自分たちの魅力をお見せして、新しい時代のイメージを作れたらいいな、と思っています。

── ヒョンドさんからは、どんなアドバイスを?

「楽しみながら、やりなさい」って。

── 本人からも「君たちは第二のDEUXだ」と言われましたか?

PVのティーザーでも、ヒョンドさんがそう言っているシーンがあります。「頑張れ」とも声をかけてもらったので、励みになっています。

── DEUXの曲で好きな歌を教えてください。

「俺に振り向いて」と「僕らは」の2曲は有名だし、僕も好きです。

── カラオケで歌ったりすることも?

カラオケは絶対に行きません(笑)。高校生1年生の時に行ったのが最後です。

── 曲を聞いていると、ヒョン・ジニョンやソテジ・ワ・アイドゥル(どちらも90年代前半のK-POPアーティスト)などの影響も感じます。

曲を作るプロデューサーの方が、それらの曲や当時、流行していたニュージャックスウィングっぽいダンス曲を聞いて育っていますから、僕も自然とそうしたアーティストの方の影響を受けています。でも、僕が目指すのは、それらの方々に影響を与えた、アメリカのアーティスト。例えば、MCハマーとか。

── MCハマーってダサくないですか?

MCハマーやヴァニラ・アイスはダンスをしながらラップしているので、ヒップホップの人たちはディスってますよね。でも、僕は、それっておかしいと思います。そもそも、MCハマーとヒップホップはジャンルが違いますから。
1PUNCHはアイドル的なイメージもあるし、MCハマーのようにパフォーマンスを重視させたいという事務所の意向もある。ただ、僕自身はヒップホップが好きなので、ソロではヒップホップシーンで流行しているスタイルに、僕のスタイルをミックスしてやっていきたいですね。だから、1PUNCHの音楽と僕のソロの音楽は別モノです。

── 1PUNCHのビジュアル・イメージではカセットテープがアクセントになっています。

カセットテープは、子供のころ、英会話の勉強に使っていた程度(笑)。あっ、そういえば、小学生のときに、お父さんからユ・スンジュンのカセットテープをもらったことを思い出しました。パンチは撮影現場で初めて見て、知ったみたいです。

── DEUXではソンジェさんがスタイリストをやっていましたが、1PUNCHでスタイリストをやるなら、どっち?

パンチはまだ若いのでファッション面では僕がリードしています。ただ、スタイリストさんは別にいますよ。私服は自分で選んでいますけど。今日の衣装もさっき、原宿で買ったばかりです。

── 腕に彫ったタトゥーも格好いいですね!

ドクロから宝石が溢れているデザインです。死んでも、なお、宝石を残せるようにって。

── それはソンジェさんが死んでもなお輝いているのと関係がある?

ソンジェさんに限らず、ノトーリアス・B.I.G.も死んだ後も宝石を残しているっていうイメージがありますよね。だから、僕も彼らのようになりたいな、と。

── デビュー前に参加したユニット、M.I.7の曲にはDOK2さんが参加し、ワンさんのソロ曲はBeenzinoさんが作っています。二人共、アンダーグラウンド・レーベル、イリネアのメンバーですが、このレーベルとは仲がいい?

中学3年生のときに初めてDOK2さんと会いました。ヒップホップを格好よくやっているのでリスペクトしていますし、いつも仲良くしていただいています。今もDOK2さんと同じレーベルのThe Quiettさんのフィーチャリングで曲を作っていることです。

ソロではコアなヒップホップを演じ、1PUNCHではアイドルに徹してダンスポップをやっていくと語るワン。そのヴァーサタイルなスタンスは、これからも要注目だ。

(文:きむ・たく / 写真:編集部)

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