韓国演歌の大御所に沸き、泣きのバラードに圧倒されるダンスポップ系2組に華やいだ「日韓交流おまつり」

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9月23、24日の両日に渡り、日韓文化交流の祭典「日韓交流おまつり2017 in Tokyo」が東京・日比谷公園で開催された。

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今年で9回目となったこのイベントは「共に歩もう、心ひとつに」がスローガン。二日目の最終プログラムでは毎年恒例となっている「K-POP シークレットコンサート」が開催され、貴賓席には高円宮憲仁親王妃久子妃殿下も姿を見せ、雅な雰囲気漂う一夜となった。

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例年、このライブはバラエティ豊かなラインアップによるステージが楽しみどころ。今回もB1A4、OH MY GIRL、パク・サンチョル、ユン・ミンスというジャンルの違う4組が出演し、会場をホットにした。

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トップバッターは2015年にデビューした女性8人組、OH MY GIRL。現在、メンバーの一人、ジニが活動休止中のため、末っ子のアリン、「見れば見るほど魅力的」なスンヒ、「皆のアモーレになりたい」ジホ、リーダーのヒョジョン、ビニ、サクランボ娘のユア、ラッパーのミミという7人での来日だ。

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最新曲の「Coloring Book」で爽やかなステージを見せた後は、昨年夏にヒットしたレゲエチューン「私の話を聞いて」を。イントロではレゲエMC、スカルのラガな歌声が夜空に広がり、一気に夏ムード。ミミは健康的なセクシーさを打ち出すソロダンスで演じ、ラストはアリンのキュートな「アイン」ポーズで会場をキュンキュンさせた。

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MCタイムでは日本語の流暢なジホがリード。「このような素晴らしいところで、素晴らしい方々とお会いできて、胸いっぱいでドキドキしています。今より、もうちょっと成長した姿をお見せしたくて、頑張ってカムバックの準備をしています。日本でも近いうちに会えるように頑張って準備しているので、ちょっと待ってください」と話し、司会者がその完璧な日本語を絶賛すると、ヒョジョンが嬉しそうに彼女に体を寄せた。

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また、ミミも「私たちの魅力は8人全員の別々な個性じゃないかな。性格も違うから、そんなメンバーが一つになった時のエナジーが魅力だと思います。今日は皆さんが楽しんでくださったおかげで、絶対忘れられない思い出になったと思います」とジホに負けない丁寧な日本語でファンを沸かせた。

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その後、アラビアンなメロディを織り込んだ「Windy Day」を挟んで、最後は「Liar Liar」を歌い、ラストはスンヒが投げキッスをプレゼント。その後、ヒョジョンが「これからも頑張るので応援してください! 一日も早く、新しいアルバムで皆さんに会いたいです!」と締めた。

続いたのは実力派R&Bデュオ、VIBEのリード・ボーカル、ユン・ミンス。三方に礼をしてからスタートした彼は、過去の名曲をカバーする歌謡番組「不朽の名曲」で披露した、“あの歌”の連発で会場の耳を釘付けにした。

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まずは80年代末にヒットした名曲「泣きたいな」。番組ではVIBEとして歌ったが、今回はソロでの歌唱だ。が、迫力がハンパなく、オリジナルの歌に民謡「アリラン」も取り入れ、独自のアレンジで魅了。“泣きのバラード”が光る彼は「僕の歌は悲しいものが多いので、別れた恋人を思い出しながら聞くのがいい」なんて冗談とも思えぬトークで和ませ、その後、再び番組で披露したイ・ムンセの「昔の愛」をオリジナル・アレンジで。

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トークコーナーでは、本人以上に話題を集める息子のユン・フが羨ましいと本音を吐露し、その後、ミンス曰く「玉置浩二」スタイルな「是非一度会いたい」に続けて、ヒット曲の「酒だ」を歌い、圧巻の歌唱力で会場を圧倒した。

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3番手は韓国演歌(トロット)界の大御所パク・サンチョル。年齢、性別を問わず愛される国民的なシンガーで、18年という芸歴の長さを誇るだけあって、鉄板曲のオンパレードで会場をアゲまくる。

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派手な刺繍入りのグレーのスーツで登場した彼は、1曲目の「プップー」からハイテンション。ビートの効いたトロットで押しまくり、日本では川崎麻世もカバーする大ヒット曲「無条件」で会場はヒートアップ。右手の右手と人差し指を合わせてグッドマークを作りながら「良い、良い」と歌い、間奏部では三方に礼をし丁寧に挨拶。「今は歌手としてすごく忙しい時期。日本でも頑張らないと!」とトークでも沸かす。

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そして演歌といえば、港。続く「港の男」では相棒のサックス奏者をフィーチャーして会場をノリノリにさせ、最後の「カラオケ~空き缶~ファンジニ」のノンストップメドレーには両手のサランへポーズも入れ、愛嬌たっぷりなステージで魅了した。

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そしてトリを飾ったのは男性5人組のB1A4! 日本では春にレーベルを移籍し、新たなスタートを切ったばかりだが、この日は日本仕様のセットリストでなく、韓国での代表曲4曲をピックアップし、オリジナルモードで臨む。

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ブラウンやベージュといった秋向きコーデで登場した彼らは、新芽ダンスが懐かしい「Beautiful Target」でご挨拶。続けて「嘘だよ」を歌い、ファンを喜ばせる。

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トークタイムでは茶色のファッションをネタに、シヌゥが「(僕達は)ミルクチョコレート」と話すと、ゴンチャンがサンドゥルの肩をカプッと甘噛み。ジニョンは「美味しいね。今日は気持ちがチョコレートでスウィートです」と続けた。

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彼らはこの日の翌日、ニューアルバム『Rollin‘』をリリースする、という忙しいスケジュールの合間を縫っての来日。シヌゥは「カムバック前に日本のファンの皆さんのエネルギーをもらって帰れるんじゃないかな」と笑みを見せ、バロも「明日発表するニューアルバムを期待してください!」と熱心にPRしていた。

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その後も「これはどういうことだ」ではサンドゥルが「なんで、どうして~」とシャウトし、ラストは幕締めにふさわしい「おやすみグッドナイト」をチョイス。

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4者それぞれが独自の音楽性と魅力を披露し、K-POP界の幅の広さをアピールする絶好のイベントとなった。

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(文:きむ・たく)