10月28日、さいたまスーパーアリーナで大型K-POPイベント「SUPER CONCERT“The Show”2015」が開催された。出演したのはSHINee、INFINITE、Block B、MYNAME、GOT7、D.HOLICという超豪華アイドル。まずはそのラインアップに驚かされる。
これは、タレント、女優として、日韓の橋渡しを行ってきたプロデューサー、Maco Shiinaの尽力によるもの。彼女の努力が史上最強のラインアップとして結実し、この日もMCとしてステージに立った。
開演前に登場したのは日韓中のメンバーからなり、この日、紅一点となった女性5人組 D.HOLIC。
客電が落ちる前、客席がざわつく中での出番にもかかわらず、彼女らはセクシーなパフォーマンスで観衆の目を惹きつける。
スマッシュヒット曲「チョルギチョルギ」は日本人メンバーのレナが「毎日、お尻フリフリの練習をしました」と明かすヒップダンスが特徴。これを含む2曲を披露し、本編出演者にバトンタッチした。
そしてフォーマルファッションに身を包んだShiinaとインス&セヨン(from MYNAME)が登場し、開会を宣言。いよいよ、ビッグイベントの幕が開けた。
トップバッターはJYPエンターテインメント所属のGOT7。
格好良くてキューティーな「LOVE TRAIN」からスタートし、韓国デビュー曲「Girls Girls Girls」では彼らの代名詞となるトリッキーなダンスが全開に。「皆さんを笑顔にしたいというメッセージを込めました」という「LAUGH LAUGH LAUGH」や、最新ヒット曲「If you do」を演じ、計5曲で会場を盛り上げた。
2番手はMCに、ライブに、と大活躍を見せたMYNAME。インスとセヨンは開演時のファッションから一転、ストリートな装いにチェンジ。ドラムンベースタッチな「HELLO AGAIN」から果敢に攻め、ファンキーな「ノンベリマ」に続いたB-Boy Danceでは、さいたまアリーナという大舞台にふさわしいダイナミックなダンスショーを披露!
単独コンサートでもあまり見ない彼らの躍動的でファンタスティックな動きがファンをドキドキさせ、この日の最大の見所になった。
ラストを飾ったハイパーダンス・チューン「Stop The Time」では、リーダー、コヌのボーカルが伸びやかに広がり、感動をさらに大きなものに。また、Block Bのステージ後、再びMCとしてステージに立ったセヨンが「Block B先輩のステージはメチャメチャ半端ないですよね」とコメントし、日本で同じ事務所に所属する仲間を立てたのも◎。韓国ではほぼ同時期デビュー、日本では自分たちが先輩なのにもかかわらずの、この気遣い。そして中立な立場のMC時にも、自分たちの歌を唱和させて会場をひとつにする、ちゃっかり具合もいい。彼らはすべての面でこの日のMVPと呼べた。
今年1月にデビューしたばかりのBlock Bはこの日、全曲を日本語バージョンで。日本でも活躍しよう、そんな強い意思が見てとれた。
ヤンチャな印象のテンション高めなダンス曲で本領を発揮するが、R&Bチューンの「Movie is over」も交えて、実力をしっかりとアピール。幕締めには日本デビュー曲の「Very Good」を歌い、イントロが流れると同時に客席からは一際高い歓声が上がり、そこには、ファンの「待ってました」という思いが表れていた。
“永遠のボーイフレンド”がキャッチフレーズのINFINITEは、本公演の出演者中ではベテランの域に入り、5曲ながらも堂々とした貫禄が光った。
日本語で歌った「24時間」はスナップ音から始まるスタイリッシュチューン。哀愁感溢れるダンスナンバー「BACK」はスクリーンに映る映像を一部モノクロにし哀感を演出していた。
そしてメンバー全員が歌い繋ぐ「DIAMOND」では彼らの高い歌唱力を印象付け、ダンス系チームと誤解していた人を驚かせていた。
トリを飾ったのはこの日の前日にシングル「Sing Your Song」を発表したばかりのSHINee。彼らの出番になると、多くのファンがそれまで手にしていたピンク色のペンライトをグリーン色のそれにチェンジし、会場内は一瞬にして緑色に。観客の大多数は彼らがお目当てだった。また、このイベントは日韓国交正常化50周年を記念するものだったが、これについて言及したのは彼らのみ。最新曲「Sing Your Song」の披露がなかったのは残念ながら、彼らはヘッドライナーにして、イベントのホストになっていた。
そして歌ったのはサーフサウンドが楽しい「321」、終盤、情熱のラテンビートに転じていく「Downtown baby」など計6曲。ファンにはたまらない選曲だった。
フィナーレは全員が「WE ARE THE WORLD」にあわせてステージ上へ。出演者全員がリアルタイムでは知らないこの曲は日韓という次元を超えたワールドワイドなポジティブソング。この歌で場内はひとつになり、イベントは未来志向で幕を閉じた。
(文:きむ・たく / 写真:SUPER CONCERT実行委員会)