ピアノ・ロックの歌姫、ユンナが10年ぶりにバンド・セットで登場 9月発売予定の新曲もスペシャルお披露目!

2004年10月、「ゆびきり-日本語version-」でデビューし、翌年「ほうき星」がスマッシュヒット。ピアノの弾き語りで一躍注目の的となったユンナが、7月25日(土)に赤坂BLITZでソロ・コンサート『TBS ラジオ PRESENTS 2015 ユンナ プレミアムライブ ~ただいま~』を開催した。

日本デビュー後は韓国でも活動を開始し「ピアノ・ロックの歌姫」として話題を集めたユンナ。が、その後の歩みは決して順風満帆とはいえず、旧所属事務所との契約を巡る裁判により舞台から遠ざかっていた時期もある。

「人生の中で一番辛かった空白期を乗り越えて最初に出した曲なので、これを歌うと初心に戻った気がする」
そう語った「RUN」(2012年)は1年半に及ぶブランクからの復帰作で、歌手人生における転換点ともなった。この曲を含む4集『Supersonic』収録曲の数々は日本語でも歌われ、それらを収めたミニアルバム『PEOPLE』で、ユンナは昨年9月、J-POP界にも帰ってきた。

ライブは「ほうき星」から幕を開け、「RUN」を含む『PEOPLE』収録曲を中心に構成。「1年ぶりのライブだから、MCはスベるかも」「10年前はイケてて生意気だったけど、今は腰が低くなってます(笑)」なんて滑らかな日本語が客席をアットホームな雰囲気に包んでいく。また、9月に発売予定のミニアルバムから新曲「星よりも遠い人」と「雨の香り」を先行お披露目しファン・サービス。前者は10年前に歌ったデモ曲を久しぶりに聞いて、改めて曲の良さに気づきレコーディングしたという。「10代の時は、歌詞の意味が全然分からずに歌ってた……」と明かす注目曲だ。

「恋愛は出会いも別れもいろいろあったので、成長したんじゃないかな」と振り返るユンナ。プライベートでも歌手としても、いくつもの経験を積んできた……そんな彼女だからこそ、ライブには余裕と力強さが溢れ、彼女の成熟を目いっぱい感じ取ることができた。

日本でのライブは約1年ぶりで、彼女の「ただいま」の声に、観客も「お帰り」と答えていた。そして、自作曲「HOME」を歌う際には「HOMEとは、人と人との繋がりから生まれる暖かさ」と語った。そう、彼女にとってのHOMEとは、彼女を支えるファンとの交流の場、つまりはライブ会場だ。そこにはデビュー以来、彼女を見守ってきたファンが多数詰め掛け、中には片道30時間をかけペルーからやってきたファンの姿もあった。昨年10月に東京で開催された「TIMM SHOWCASE LIVE」で、流暢な英語のMCで世界各地から集まった音楽関係者の関心を引いていたのを思いおこすと、今後のインターナショナルな活躍も期待したくなる。

ライブはバンド編成で行われたのだが、聞けば、そうした公演も10年ぶりだという。「もっと、バンド・セットで見たい」、そう思わせるコンサートだった。

(文:きむ・たく)

ユンナ最新情報

9月9日、ユンナがミニ・アルバムをリリースし、カムバック!  5年ぶりとなるオリジナル楽曲や、自ら歌った韓国人気ドラマOSTを日本語バージョンで収録する。